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ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B’wayミュージカル非公式ガイド【2015年5月編】~トニー賞ノミネーション発表

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日本列島が令和へのカウントダウンに湧いた2019年4月30日、海の向こうのブロードウェイでは年に一度のビッグイベント、トニー賞のノミネート作が発表された。そこで今回の「ワッツ・オン・ブロードウェイ」は賞レース特集として、トニー賞およびその“前哨戦”とも言われるニューヨーク各演劇賞の動向をお届け。日本でも生中継される6月9日(日本時間では10日朝)のトニー賞授賞式に向け、気分を高めていただきたい。

Q.今年のトニー賞は何が受賞すると思う?

(ノミネート作品一覧は本文下方に記載)

ミュージカル部門の作品賞にノミネートされたのは、新作が『Ain’t Too Proud』『ビートルジュース』『Hadestown』『The Prom』『トッツィー』、リバイバルが『キス・ミー・ケイト』『オクラホマ!』(今シーズンのリバイバル作品はそもそもこの2作のみ)の計7作。脚本賞には新作5作がそのまま入り、楽曲賞はジュークボックスもののためオリジナル曲のない『Ain’t~』が外れて『Be More Chill』などが入る形となった。演出賞は作品賞の7作から『ビートルジュース』と『キス・ミー・ケイト』を除いた5作で、振付賞は『Ain’t~』『Hadestown』『トッツィー』『キス・ミー・ケイト』にプレイ部門からの刺客(『Choir Boy』)を加えた5作。と、ここまでが何となく、いわゆる“主要”カテゴリー。

予想するのはおこがましいのであくまで希望になるのだが、今年は観逃がした『オクラホマ!』とよく分からなかった『ビートルジュース』を除いてどれも良かったので、ここはひとつ、どれかが独占するのではなくみんなで分け合っていただきたい。脚本賞が『The Prom』か『トッツィー』、楽曲賞が『Hadestown』、演出賞が『Hadestown』か『トッツィー』(ここは『オクラホマ!』が強そうではあるが…)、振付賞が『Ain’t~』もしくは『キス・ミー・ケイト』、そして作品賞が『The Prom』というのが筆者の理想なのだが、どうだろうか。

俳優部門に目を移すと、勝手に大混戦なのが主演男優賞。『トッツィー』のサンティノ・フォンタナにも、『The Prom』のブルックス・アシュマンスカスにも、『Ain’t~』のデリック・バスキンにも獲ってほしくて困ってしまう。個人的には、ここに超ステキだった『プリティ・ウーマン』のアンディ・カールと、好きではないがインパクト十分だった『Be More Chill』のウィル・ローランドを加えた戦いを予想していたのだが、残念ながらノミネートすらされなかった(代わりに入ったのは『ビートルジュース』と『オクラホマ!』の二人)。主演女優賞助演男優賞は逆に、個人的には『キス・ミー・ケイト』のケリー・オハラと『Hadestown』のアンドレ・ド・シールズ一択なのだが、どうだろうか。どうだろうか!

トニー賞2019ノミネーション一覧(公式は、https://www.tonyawards.com/nominees/

<ミュージカル部門>
 
■ミュージカル作品賞
『エイント・トゥー・プラウド』
『ビートルジュース』
『ハデスタウン』
『ザ・プロム』
『トッツィー』

 
■ミュージカルリバイバル作品賞
『キス・ミー・ケイト』
『オクラホマ!』

 
■ミュージカル主演男優賞
ブルックス・アシュマンスカス(『ザ・プロム』)
デリック・バスキン(『エイント・トゥー・プラウド』)
アレックス・ブライトマン(『ビートルジュース』)
デイモン・ドーノ(『オクラホマ!』)
サンティーノ・フォンタナ(『トッツィー』)

 
■ミュージカル主演女優賞
ステファ二ー・J・ブロック(『ザ・シェール・ショー』)
ケイトリン・キナナン(『ザ・プロム』)
ベル・リーヴェル(『ザ・プロム』)
エヴァ・ノブルザダ(『ハデスタウン』)
ケリー・オハラ(『キス・ミー・ケイト』)

 
■ミュージカル助演男優賞
アンドレ・デ・シールズ(『ハデスタウン』)
アンディ・グロテルーション(『トッツィー』)
パトリック・ペイジ(『ハデスタウン』)
ジェレミー・ポープ(『エイント・トゥー・プラウド』)
イフライム・サイクス(『エイント・トゥー・プラウド』)

 
■ミュージカル助演女優賞
リリー・クーパー(『トッツィー』)
アンバー・グレイ(『ハデスタウン』)
サラ・スタイルズ(『トッツィー』)
アリ・ストローカー(『オクラホマ!』)
メアリー・テスタ(『オクラホマ!』)

 
■ミュージカル演出賞
レイチェル・チャフキン(『ハデスタウン』)
スコット・エリス(『トッツィー』)
ダニエル・フィッシュ(『オクラホマ!』)
デス・マカナフ(『エイント・トゥー・プラウド』)
ケイシー・ニコロウ(『ザ・プロム』)

 
■ミュージカル脚本賞
ドミニク・モリッソー(『エイント・トゥー・プラウド』)
スコット・ブラウン、アンソニー・キング(『ビートルジュース』)
アナイス・ミッチェル(『ハデスタウン』)
ボブ・マーティン、チャド・ベグリン(『ザ・プロム』)
ロバート・ホーン(『トッツィー』)

 
■ミュージカル装置デザイン賞
ロバート・ブリル、ピーター・ニグリーニ(『エイント・トゥー・プラウド』)
ピーター・イングランド(『キング・コング』)
レイチェル・ホーク(『ハデスタウン』)
ローラ・ジェリネック(『オクラホマ!』)
デヴィッド・コリンズ(『ビートルジュース』)

 
■ミュージカル衣装デザイン賞
マイケル・クラス(『ハデスタウン』)
ウィリアム・アイヴィ・ロング(『ビートルジュース』)
ウィリアム・アイヴィ・ロング(『トッツィー』)
ボブ・マッキー(『ザ・シェール・ショー』)
ポール・タズウェル(『エイント・トゥー・プラウド』)

 
■ミュージカル照明デザイン賞
ケヴィン・アダムズ(『ザ・シェール・ショー』)
ハウエル・ビンクリー(『エイント・トゥー・プラウド』)
ブラッドリー・キング(『ハデスタウン』)
ピーター・マムフォード(『キング・コング』)
ケネス・ポズナー、ピーター・ニグリーニ(『ビートルジュース』)

 
■ミュージカル音響デザイン賞
ピーター・ハイレンスキ(『ビートルジュース』)
ピーター・ハイレンスキ(『キング・コング』)
スティーヴ・キャニオン・ケネディ(『エイント・トゥー・プラウド』)
ドリュー・レヴィ(『オクラホマ!』)
ネヴィン・スタインバーグ、ジェシカ・パズ(『ハデスタウン』)

 
<演劇部門>
 
■演劇作品賞
『クワイヤ・ボーイ』
『ザ・フェリーマン』
『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』
『インク』
『ホワット・ザ・コンスティテューション・ミーンズ・トゥ・ミー』

 
■演劇リバイバル作品賞
『みんな我が子』
『真夜中のパーティー』
『BURN THIS 焼却処分』
『トーチソング』
『ザ・ウェイヴァリー・ギャラリー』

 
■演劇主演男優賞
ジェレミー・ポープ(『クワイヤ・ボーイ』)
パディ・コンシダイン(『ザ・フェリーマン』)
ジェフ・ダニエルズ(『アラバマ物語』)
アダム・ドライヴァー(『BURN THIS 焼却処分』)
ブライアン・クランストン(『ネットワーク』)

 
■演劇主演女優賞
エレイン・メイ(『ザ・ウェイヴァリー・ギャラリー』)
ローリー・メトカーフ(『ヒラリー・アンド・クリントン』)
アネット・べニング(『みんな我が子』)
ハイジ・シュレック(『ホワット・ザ・コンスティテューション・ミーンズ・トゥ・ミー』)
ジャネット・マクティア(『ベルナール/ハムレット』)

 
■演劇助演男優賞
ブランドン・ウラノヴィッツ(『BURN THIS 焼却処分』)
バーティ・カーヴェル(『インク』)
ベンジャミン・ウォーカー(『みんな我が子』)
ロビン・デ・ヘスース(『真夜中のパーティー』)
ギデオン・グリック(『アラバマ物語』)

 
■演劇助演女優賞
フィオヌラ・フラナガン(『ザ・フェリーマン』)
シーリア・キーナン・ボルジャー(『アラバマ物語』)
ルース・ウィルソン(『リア王』)
クリスティン・ニールセン(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)
ジュリー・ホワイト(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)

 
■演劇演出賞
ルパート・グールド(『インク』)
サム・メンデス(『ザ・フェリーマン』)
ジョージ・C・ウルフ(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)
イヴォ・ヴァン・ホーヴェ(『ネットワーク』)
バートレット・シャー(『アラバマ物語』)

 
■演劇装置デザイン賞
ミリアム・ビューサー(『アラバマ物語』)
バニー・クリスティー(『インク』)
ロブ・ハウエル(『ザ・フェリーマン』)
サント・ロカスト(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)
ヤン・ファーシュウェイフェルド(『ネットワーク』)

 
■演劇衣装デザイン賞
ロブ・ハウエル(『ザ・フェリーマン』)
トニ=レスリー・ジェームズ(『ベルナール/ハムレット』)
クリント・ラモス(『トーチソング』)
アン・ロス(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)
アン・ロス(『アラバマ物語』)

 
■演劇照明デザイン賞
ニール・オースティン(『インク』)
ジュールス・フィッシャー + ペギー・アイゼンハワー(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)
ピーター・マムフォード(『ザ・フェリーマン』)
ジェニファー・ティプトン(『アラバマ物語』)
ヤン・ファーシュウェイフェルド、タル・ヤーデン(『ネットワーク)

 
■演劇音響デザイン賞
アダム・コーク(『インク』)
スコット・レーラー(『アラバマ物語』)
フィッツ・パットン(『クワイヤ・ボーイ』)
ニック・パウエル(『ザ・フェリーマン』)
エリック・スレイヒム(『ネットワーク』)

 
<ミュージカル・演劇 共通部門>
 
■オリジナル楽曲賞
作詞作曲:ジョー・アイコニス(『ビー・モア・チル』)
作詞作曲:エディ・パーフェクト(『ビートルジュース』)
作詞作曲:アナイス・ミッチェル(『ハデスタウン』
作詞:チャド・べグリン、作曲:マシュー・スクラー(『ザ・プロム』)
作曲:アダム・ゲッテル(『アラバマ物語』)
作詞作曲:デヴィッド・ヤズベック(『トッツィー』)

 
■振付賞
カミール・A・ブラウン(『クワイヤ・ボーイ』)
ウォーレン・カーライル(『キス・ミー・ケイト』)
デニス・ジョーンズ(『トッツィー』)
デヴィッド・ニューマン(『ハデスタウン』)
セルジオ・トルヒーヨ(『エイント・トゥー・プラウド』)

 
■オーケストラ編曲賞
マイケル・チャオニー、トッド・シッカフース(『ハデスタウン』)
サイモン・ヘイル(『トッツィー』)
ラリー・ホックマン(『キス・ミー・ケイト』)
ダニエル・クルーガー(『オクラホマ!』)
ハロルド・ウィーラー(『エイント・トゥー・プラウド』)

 
<事前発表>
 
■功労賞
ローズマリー・ハリス
テレンス・マクナリー
ハロルド・ホイーラー

 
■特別賞
マリン・メージー
ソニー・ティルダース&クリーチャー・テクノロジー・カンパニー
ジェイソン・マイケル・ウェッブ

 
■地方劇場賞
シアターワークス・シリコンバレー

 
■イザベル・スティーヴンソン賞
ジュディス・ライト

 
■名誉賞
ブロードウェイ・インスピレーショナル・ボイス- マイケル・マッケルロイ(創設者)
ピーター・エンティン
ニューヨーク市消防局 第54消火班/第4はしご車班/第9大隊 ※ブロードウェイが所轄の消防署
ジョゼフ・ブレイクリー・フォーブス
 
 

【今シーズンの新作】

■5月に始まる作品

2か月連続の「なし!」。春に次ぐ開幕ラッシュ期、秋の到来を待とう。以下、作品名の横の数字はトニー賞ノミネート数。劇場写真付きの3作が個人的オススメ。

■既に上演中の作品

『Ain’t Too Proud』12nominations
『ジャージー・ボーイズ』チームが描くテンプテーションズの軌跡。振付とキャストが最高。
https://www.ainttooproudmusical.com/

 


『Be More Chill』1nomination
音楽、振付、演出から若さがあふれる、オフ発信の話題作。日本人的には微妙な描写も…。
https://bemorechillmusical.com/

『ビートルジュース』8nominations
ティム・バートン監督映画の舞台化。原作を知らないとノリについていけない可能性高し。https://beetlejuicebroadway.com/

『The Cher Show』3nominations
米歌手シェールの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。劇評も入場率もイマイチの様子。
https://thechershowbroadway.com/

『Hadestown』14nominations
ギリシャ神話が題材だが表現は現代的。いかにも『グレート・コメット』の演出家らしい舞台。
https://www.hadestown.com/

 
 

『キングコング』3nominations
あの、キングコング。ミュージカルというよりショーだと思えば意外と楽しめる。
https://kingkongbroadway.com/

『キス・ミー・ケイト』4nominations
今夏『王様と私』で来日するケリー・オハラ主演のコメディ。6月30日までなので急げ!
https://www.roundabouttheatre.org/get-tickets/2018-2019-season/kiss-me-kate

『オクラホマ!』8nominations
1943年初演の名作を21世紀の解釈でリバイバル。来年1月19日までの延長が決定。
https://oklahomabroadway.com/

 


『プリティ・ウーマン』0nomination
名作映画をジェリー・ミッチェルが舞台化。ノミネート0につきクローズは早そう。
https://prettywomanthemusical.com/

『The Prom』7nominations
プロム=高校生ものかと思いきやバックステージものでもあり超面白い。応援!
https://theprommusical.com/

『トッツィー』11nominations
主演俳優を筆頭に大変チャーミングな舞台。日本企業出資中につき、日本版妄想も進む。
https://tootsiemusical.com/

【ロングラン作品】

以下、作品名の横の数字はトニー賞作品賞(新作/リバイバル問わず)受賞年。

■日本で既に上演された/されている作品

『アラジン』
ディズニーアニメが舞台ならではの手法で表現された秀作。魔法の絨毯もスゴイ。
https://www.aladdinthemusical.com/

『ビューティフル』
キャロル・キングの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。ロングラン5年目、そろそろ下火か。
https://beautifulonbroadway.com/

『シカゴ』1997~
オペラ座の怪人に次ぐロングラン記録を更新中の名物作。出来は割とキャスト次第。
https://chicagothemusical.com/

『ライオンキング』1998~
開幕から20年以上経つというのに、未だ入場率がほぼ毎週100%を超える大ヒット作。
https://www.lionking.com/

『マイ・フェア・レディ』
1956年初演の名作を、渡辺謙の『王様と私』を手がけた演出家がリバイバル。上質。
http://www.myfairladybway.com/

『オペラ座の怪人』1988~
言わずと知れた世界的メガヒット作。圧倒的な知名度ゆえ、劇場では日本人に遭遇しがち。
http://www.thephantomoftheopera.com/

『ウィキッド』
開幕から15年が経ち、ようやくチケットに多少の余裕が。定期的に観たい傑作。
https://wickedthemusical.com/

■日本未上演の作品

『ブック・オブ・モルモン』2011~
日本では永遠に上演されなさそうだが超絶面白い。モルモン教だけwikiで調べて観るべし。
https://bookofmormonbroadway.com/

『カム・フロム・アウェイ』
「911」の日、カナダの小さな町に起こった実話をシンプルだが力強い演出で描く感動作。
https://comefromaway.com/

『ディア・エヴァン・ハンセン』2017~
深遠なテーマをスタイリッシュに描く、2017年のトニー賞受賞作。絶対日本でやると思う。
https://dearevanhansen.com/

『アナと雪の女王』
舞台ならではの表現が見当たらない残念作だが、満足感は保証する。生レリゴー最高。
https://frozenthemusical.com/

『ハミルトン』2016~
開幕4年目にして未だ超入手困難なモンスター級ヒット作。文句なしに革新的。観るべし。
https://hamiltonmusical.com/

『ミーン・ガールズ』
同名映画の舞台化。なぜか人気。アメリカ的なノリについていける自信があればどうぞ。
https://meangirlsonbroadway.com/

『ウェイトレス』
同名映画の舞台化。完全に女子向け。観るとスイーツが食べたくなります。
https://waitressthemusical.com

【5月のミュージカルイベント】

ニューヨークにはトニー賞以外にも様々な演劇賞があり、大体がトニー賞と同じく毎年4~5月にノミネート作を発表し、5~6月に受賞作を決定する。既にノミネート作が発表されている今年の各賞から、ここでは「作品賞(新作部門/リバイバル部門)」に名を連ねている「(オン・)ブロードウェイ」の「ミュージカル」のみを、受賞作決定の早い順にご紹介。ちなみに、NYドラマ・クリティックス・サークル賞とシアターワールド賞にはノミネート制度がなく、それぞれ5月6日と5月13日にいきなり受賞作が発表される予定だ。

●5月13日:アウター・クリティックス・サークル賞
新作→『Be More Chill』『Hadestown』『Head Over Heels』『The Prom』『トッツィー』
リバイバル→『キス・ミー・ケイト』『オクラホマ!』

●5月17日:ドラマリーグ賞
新作→『Ain’t Too Proud』『ビートルジュース』『Be More Chill』『The Cher Show』『Hadestown』『Head Over Heels』『キングコング』『The Prom』『トッツィー』
リバイバル→『キス・ミー・ケイト』『オクラホマ!』

●5月19日:チタ・リヴェラ賞
(ダンスに特化した賞のため、以下は振付家がノミネートされている作品名)
『キス・ミー・ケイト』『トッツィー』『Hadestown』『The Prom』『Ain’t Too Proud』

●6月2日:ドラマデスク賞
新作→『Be More Chill』『The Prom』『トッツィー』
リバイバル→『キス・ミー・ケイト』『オクラホマ!』


『ザ・ブロードウェイ・ミュージカル・コンサート』が開幕~ブロードウェイのトップスターが渋谷に集結

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『ザ・ブロードウェイ・ミュージカル・コンサート』が2019年5月18日(土)、東京・渋谷の東急シアターオーブにて開幕した(公演は19日まで)。出演は、ノーム・ルイスブランドン・ビクター・ディクソンジェシー・ミューラーアレックス・ニューウェル。「アメリカ演劇界のアカデミー賞」とも言われるトニー賞の受賞者やノミネート者を含む気鋭のアーティスト達によるパフォーマンスを、ブロードウェイに行かずとも日本で堪能できる、超贅沢なコンサートだ。

初日前日の5月17日にはその公開ゲネプロ(総通し稽古)が行われた。ゲネプロでは、大ヒット映画『ラ・ラ・ランド』のお馴染みの曲から、昨年のトニー賞でリバイバル作品賞を獲った『アイランド』のレアな楽曲まで、奇跡のラインアップが披露された。

各出演者の注目ポイントは、以下の通り。

■ノーム・ルイス

2012年のトニー賞でミュージカル主演男優賞にノミネートされた経験を持つ(『ポーギーとベス』のポーギー役にて)彼は、2014年、アフリカ系アメリカ人としてブロードウェイで初めて『オペラ座の怪人』の怪人役を演じて世界的に話題となった。2010年にロンドンで行われた『レ・ミゼラブル25周年記念コンサート』では警部ジャベール役として出演して注目を浴びたが、今回のステージでは、『レ・ミゼラブル』より「Stars」で、ジャベールの持つ強さと儚さを見事に表現する。

ノーム・ルイス(今回のコンサートの写真ではありません)

ノーム・ルイス(今回のコンサートの写真ではありません)

■ブランドン・ビクター・ディクソン

2016年のトニー賞で11部門受賞の快挙を果たした『ハミルトン』において、アーロン・バー役で出演。同公演のカーテンコールにて、当時の次期アメリカ副大統領に向けて、アメリカの価値観を守って欲しいとの手紙を読み上げた、コロンビア大卒のエリートが彼だ。2006年トニー賞では、『カラー・パープル』のハーポ役でミュージカル助演男優賞にノミネートされている。今回のステージでも、ソウルフルな歌声が魅力的。

ブランドン・ビクター・ディクソン

ブランドン・ビクター・ディクソン

■ジェシー・ミューラー

2014年トニー賞では『ビューティフル』のキャロル・キング役で主演女優賞を受賞した他、同賞では幾度もノミネートされてきた彼女。今回のステージで披露される、『ウェイトレス』の「She Used to Be Mine」では、望む人生とはかけ離れた生活を送りながらも、過去の幸せだった自分を思い出さずにはいられない女性を、情感溢れる歌唱で演じ切る。

ジェシー・ミューラー(今回のコンサートではありません)

ジェシー・ミューラー(今回のコンサートではありません)

■アレックス・ニューウェル

2018年のトニー賞リバイバル作品賞を受賞した『アイランド』のアサカ役でブロードウェイデビューを果たした彼の出世作といえば、アメリカの学園ドラマ『グリー』(シーズン3以降に出演)。トランスジェンダーの高校生役を演じ、大きな話題を呼んだ。同ドラマで歌われた「If I Were a Boy」を今回のステージでも披露、揺れ動くアイデンティティとその苦悩と哀切を描く。

アレックス・ニューウェル舞台写真(今回のコンサートではありません)

アレックス・ニューウェル舞台写真(今回のコンサートではありません)

音楽監督は、その確かな技術と愛嬌たっぷりな仕草で、今年1月に行われたミュージカルコンサート『ヴォイス・オブ・ウエストエンド』でも会場を沸かせたジョン・クォーク。

ブロードウェイのミュージカルスター達と豪華オーケストラによる、表情豊かなライブコンサートに、是非足を運んでみては。

取材・文=natsuki

自身のルーツでもある日本で『ピピン』を手がける、ダイアン・パウルスに直撃

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アメリカ・エンターテインメント史にその名輝くボブ・フォッシーが演出と振付を手がけ、トニー賞5部門を受賞したブロードウェイ・ミュージカル『ピピン』(1972)。その作品に新たな風を吹き込み、2013年のトニー賞ミュージカル部門最優秀リバイバル賞他4部門を受賞したダイアン・パウルス演出版がこのたび、城田優、クリスタル・ケイら日本人キャストによって上演される。5月上旬、来日した演出家による濃密な稽古を見学する機会を得た。

この日、稽古が行なわれていたのは、リーディング・プレイヤー(クリスタル・ケイ)に促され、王子ピピン(城田優)が父王チャールズ(今井清隆)に対して革命を思いつく場面。サーカスにインスパイアされ、華麗なアクロバットが繰り広げられることでも有名なパウルス版、稽古場にもフラフープや赤い階段、カラフルなサーカスの台などが並んでポップな雰囲気だ。

メガネ姿のパウルスは、「その言葉はどう訳されている? 英語だとこういう意味だけど、そのような日本語になっている?」と、クリスタルと城田のセリフの掛け合いを一字一句入念にチェック。議論が白熱してくると、掛けているメガネを頭の上にヘアバンド風に載せたり、また掛けたり、静かなたたずまいの中にエネルギーを感じさせる。そんな演出家に対し、英語でやりとりするクリスタルと城田。振付のチェット・ウォーカーと宮澤エマも何やら英語で相談中と、インターナショナルな雰囲気だ。ミュージカル初挑戦のクリスタルに対し、助言も惜しまない城田。彷徨する王子ピピンにぴったりのルックスで、圧政への不満を激しくほとばしらせる。

そんな二人のやりとりに続き、アンサンブルが「チャールズを倒せ!」と集結するシーン。セリフの背景も詳しく説明しながらのパウルスの入念な指導を受け、その叫びが一体化したとき、一段とパワフルで凄まじいものに。「カクメイダ!」と、パウルスは、聞き覚えた日本語でアンサンブルを導いていく。そんな群衆に取り囲まれ、台に乗る城田ピピン。そこへ、「REVOLUTION」なる旗を掲げたミニサイズの自転車に乗った宮澤エマも登場……のこのシーン、その白熱具合はぜひ劇場でお確かめを。

稽古の最後には、『ピピン』と言えばおなじみのオープニング・ナンバー、「Magic To Do」も公開された。蠱惑的なイントロにキャストのハミングが重なり、クリスタル・ケイがパンチの効いた歌唱を聴かせる。霧矢大夢、前田美波里(中尾ミエとダブルキャスト)と歌い継ぐ中、今井清隆はナイフでポーズを決める。ジャグリングやフラフープ、アクロバットも次々と披露され、パウルス版の魅惑の作品世界へと自然にいざなわれていく。人々を率いての霧矢のシャープなダンス、宮澤のキュートな表情も目を引く。「自分自身にとってしっくりと来るダンスにしてほしい」とのパウルスのアドバイスで、この日の稽古は終了した。

稽古直後のダイアン・パウルスに直撃

ーー『ピピン』という作品を、サーカスをモチーフに演出しようというアイディアはどこから来たのですか?

演出家として私がいつも興味を抱いているのは、“第四の壁”(舞台上の世界と客席のある現実世界との間にある、想像上の壁)を壊すことなんです。どうやったら観客とコンタクトを取ることができるか、いつも考えていて。その意味で、サーカスという形式に心ひかれました。テントに入り、サーカスリングを前にするときのあの感覚を劇場に持ち込むことはできないか。そして、『ピピン』のリバイバルを手がけることとなりましたが、この作品において問題になるのは、台本を見ると、役名のところに「リーディング・プレイヤー」(主席俳優)「プレイヤー」(俳優)としか書いておらず、何の説明もないんです。この人たちは、この一座とは、いったい何なんだろう? という疑問が湧き上がるんですが、それをサーカスの一座ということにしてみたらどうだろうと思いついて。

サーカスが街にやってくると、「この人たちはどんな人たちなんだろう?」と思いますよね。彼らがテントを設営すると「中に何があるんだろう?」と思う。ミステリアスで誘惑的で、危険な感じでスリリングでもある。サーカスのテントの前にはいつも人が立っていて、「中においでよ」と呼び込んでいる。『ピピン』のオープニング・ナンバーはあまりに有名な「Magic To Do」ですが、その最初のフレーズは「Join us」と、まさにサーカスの呼び込みのよう。これを歌うリーディング・プレイヤーはさながら、テントの外で客を呼び込んでいるサーカス団長だなと。「私たちは中で“Magic To Do”=マジックをやりますよ」と観客に歌いかけるわけです。

“自分が特別な存在であると証明するため、人生でどんな遠くまで行くことができるか”という物語のテーマそのものも、サーカスと深く関連付けられると思いました。サーカスでアクロバットを披露するパフォーマーたちも、人生をその技に捧げ尽くし、自分の極限にまで挑戦していきます。自身のサーカス・カンパニーを率いていたジプシー・シュナイダーに話を持ち掛けたところ、彼女も、「この物語はサーカスのパフォーマーの人生そのものを描いているわ」と賛同してくれました。すなわち、サーカス一座で上演するというアイディアそのものが、作品のメタファーとして成立したわけです。

ボブ・フォッシーによる初演の演出と振付も、サーカスそのものが取り上げられているわけではありませんが、ジャグリングやパントマイムが登場したり、彼自身、サーカスに魅了されていたことを非常に感じるんです。振付家のチェット・ウォーカーも、ミスター・フォッシーはサーカスの道化が大好きだったと語っています。ですから、もともと初演のプロダクションにもあったサーカスの要素をふくらませていこうと決意しました。

英語には、「サーカスと逃げようか?」という言い回しがあります。日常から、生活から逃避行して、サーカスという非日常へと身を投じようか。それがこのショーの投げかける問いでもあります。「あなたはサーカスと逃げようと思ったことはありますか?」「逃げたいと思いますか?」――観ていて、皆さん、思うかもしれない。逃げようと思ったけど勇気がなくて断念したなとか、一度逃げたけどやっぱり戻ってきたなとか。これは、人生の選択の物語だと思うんです。

ーー今回、日本語版を演出されることとなりました。

日本人キャストの皆さんの才能に感服しています。演技もユーモアセンスも非常に高いレベルで、しかも全身全霊をもって飛び込む方たちが揃っていて、稽古が終わると毎日、「このキャストの舞台、絶対観た方がいいわよ! 過去最高よ!」とアメリカに電話しているんです。この作品に日本という場所で再び取り組めることを光栄に思いますし、その上では、翻訳が一行一行きちんと機能しているか大切にしたいと思っていて。この作品では、おもしろいと同時に深刻で恐ろしかったり、一つの言葉、言い回しにさまざまな意味が重なって込められていたりするんです。その意味を日本の観客に伝えようと、非常に貪欲なキャストが揃っています。『ピピン』は、観客の心、感情に直接ふれるショーなんです。日本の観客の心を動かすようなものにしたいと、稽古場でみんなで燃えています。

(城田)優はすばらしい才能の持ち主です。大変有名なスターと聞いていたけれども、そういった気取りが一切なくて、演出家、パフォーマーとして互いに率直につきあうことができて、「何をやりましょうか?」と常にオープンに積極的に取り組んでいて。アメリカのビッグ・スターとだとそうはいきません(笑)。優だけでなく、クリスタルも二人のバーサ(中尾ミエ/前田美波里)もそうだし、ファストラーダ(霧矢大夢)なんて宝塚の元トップスターだし、それなのに、みんな一切のエゴを感じさせず、稽古場でいい雰囲気を作ってくれている。そういう現場からはいいものが生まれますし、作品に真摯に取り組んでくれていることに、本当に感謝しています。

優はピピンという役をしっかりつかんでいます。ピピンのもつ情熱とおもしろさがあって、歌がうまくてチャーミング。また日本に来て、優と作品作りをしたいなと思いますね。作品の深い意味をいつも考えていて、演出も手がけると聞いて納得しました。

クリスタルはミュージカル初挑戦というのが信じられないくらい。スター性があって強さと美しさがあって、声と身体性も秀でていて。日々貪欲に進化を遂げていっています。

岡田(亮輔)さんのルイスも、今までで最高のルイスになると思います。そして、チャールズ王(今井清隆)がすばらしい! やってみてと言ったことの呑み込みが本当に早くて、その場ですぐ消化してしまう。本当におもしろい人なの!

ーーパウルスさんはお母さまが日本人でいらっしゃるとうかがいました。

そうなんです。1995年に亡くなりましたが、彼女が生きていて、私が日本人キャストを演出するこの舞台を観ることができたら……と思いますね。日本に来たことはありましたが、仕事での来日は今回が初めて。母は芸術を愛し、子供に対しても、好きな道を進むよう励まし続けてくれる人でした。今回、舞台を通じて日本の皆さまとつながりを持てることを、恩返しのように思っています。

ダイアン・パウルス

ダイアン・パウルス

母は1928年生まれで、宝塚が大好きだったんです。戦争中大変な思いをしましたが、アメリカのGHQによる占領時代、軍人として来日した父と出会って。父は、当時アーニーパイル劇場と呼ばれていた旧東京宝塚劇場で演出を手がけていました。デパートで働いていた母を見かけて、話しかけたら流暢な英語で返されてびっくりした、それが出会いでした。二人のロマンスはいわゆる『蝶々夫人』とか『ミス・サイゴン』といった作品と真逆だなと思うんです。二人は恋に落ちましたが、当時はそれは禁じられていて、母は後に渡米して結婚することになるんですが、母側の家族は結婚を誰も認めなかった、そんな時代でした。今でこそ当たり前ですが、昔はそんなに国際結婚って多くなかった。4、5歳のころ、ニューヨークを両親と歩いていたら、向こうからジョン・レノンとオノ・ヨーコがやって来たんです。二人は立ち止まって私をじっと見つめていたそうです。

ーーさきほど稽古場で、人種差別の問題について熱く語っていらっしゃった姿を思い出しました。

それが、母の人生にも常にあった問題だと思うんです。この作品を現代の観客にも通じるものとする上でも、大切な論点だと思っています。

ーーお母さまが宝塚が大好きということですが、今回の舞台には元宝塚トップスターの霧矢大夢さんも出演されていますね。

霧矢さんの場面の演出はまだこれからなので、楽しみにしているんです!

母はいつも宝塚宝塚と言っていて、1989年にラジオシティ・ミュージック・ホールについに宝塚の公演がやって来たとき、みんなで観に行きました。オペラもミュージカルも好きでしたし、父も母も劇場大好き人間だったんです。

私はもともとパフォーマーになりたくて、ダンサー、役者として訓練を積みましたが、仕事が来るまで待っている忍耐力がないことに気づいて(笑)、自分でショーを作っていきたいと思いました。それで演出を始めたんです。最初のうちは勉強したこともなく、出演しながら演出も兼ねていましたが、その後、大学院で演出を学びました。「私、演出家になったんだな」と思ったある日、アーニーパイル劇場で演出している父の写真を見たんです。「あ、お父さんみたい!」と思いました。アメリカに帰ってからは父はCBSでテレビの仕事をしていたので、演劇人だったころの父を私は知らなかったんです。同じ血が流れていることに気づいた瞬間でしたね。

ーー演出作を選ばれる上でのポイントは?

単に歌って踊るだけではなく、深い物語があり、感情的に大きなインパクトを与えられるであろう作品を常に選んでいます。それから、演劇的な要素が多くふくまれているものが好きですね。『ピピン』もそうですが、コミュニティについて描いている作品にも心ひかれます。観終わって、観客が、舞台に登場した役者一人ひとりを全員思い出せるような作品を手がけたいと思っています。

ーー作詞・作曲を手がけたスティーヴン・シュワルツさんとはどのような相談をされましたか?

彼と、脚本を担当したロジャー・O・ハーソンにサーカスのアイディアについて話をし、細かな変更点についてあれこれ相談したところ、2013年版のための新たなバージョンを快く作ってくれました。スティーヴンには来日中もメールで「日本語でこのようにしたいから、こういう言葉に変えてもいい?」とあれこれ相談していて、日本版にも関わってもらっていることになります。

ーー『ピピン』や『ヘアー』といった、時代性を深く感じさせる作品のリバイバルに多く関わっていらっしゃいます。

リバイバルを手がけるときは、その作品が初演時どんな意味を持っていたかをまず考えます。ベトナム戦争の最中に初演された『ピピン』には、戦争の傷跡と社会への幻滅、人生の意味について考える若い世代の迷いといったものが描かれています。そういったものを深く探求した上で、単なる演劇博物館的な作品にはしたくないという思いがあって。初演時、作品が観客に与えたのと同じ衝撃を、現代の観客に与えること、それがリバイバルを手がける上で大切なことだと思うんです。作品にまつわる過去の記憶、思い出をどう扱うかもポイントになってきますね。初演の『ピピン』を観た多くの観客の中には、ベン・ヴェリーンがリーディング・プレイヤーを演じる姿が残っていると思うんです。そこで、リーディング・プレイヤーを女性にしたらおもしろいのではというアイディアが生まれました。

ーー結末も初演と異なりますね。

初演の結末は大いに物議を醸しました。ボブ・フォッシーはダークでシニカルな結末を望んだけれども、スティーヴン・シュワルツは必ずしも同意してはいなかった。クリエイター二人の間に緊張関係があったわけです。リバイバル版に取りかかり始めたとき、スティーヴンが、「違う結末のアイディアもあるんだけど」と言った。それでそちらを採用することにしたんです。なぜなら、作品の構造自体、中世の道徳劇のように、主人公が次々と人生の試練をくぐり抜けて行かなくてはいけないようなところがあるから。そして、しまいには、また次の世代がその試練に直面する、つまり、ライフサイクルの循環を描いているので、こちらの結末がしっくりくると感じています。

取材・文=藤本真由 写真=オフィシャル提供

ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B’wayミュージカル非公式ガイド【2019年6月編】

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先月特集したトニー賞の発表まで1週間を切った。前哨戦として紹介した各賞の結果が出揃ったので、今回は前回のような“希望”ではなく、ちゃんとした“予想”をお届けしてみようと思う。そんな前半に続き、後半のリスト部分では久々となる新作紹介も。さらにイベント部分では、『キンキーブーツ』の演出・振付家ジェリー・ミッチェルが始めたチャリティ・イベントを取り上げているので、ぜひ最後までお付き合いいただきたい。

Q.今年のトニー賞は何が受賞すると思う?パート2

まずは、各賞の主な結果を列挙する(個人に与えられた賞も作品名に集約)。

●NYドラマ・クリティックス・サークル賞
・プレイ作品賞:『The Ferryman』
・ミュージカル作品賞:『トッツィー』
・特別賞:『屋根の上のヴァイオリン弾き』(オフ)

●アウター・クリティックス・サークル賞
・プレイ新作賞・演出賞:『The Ferryman』
・ミュージカル新作賞・楽曲賞・演出賞・助演男優賞・助演女優賞:『Hadestown』
・ミュージカル脚本賞・主演男優賞:『トッツィー』
・プレイリバイバル作品賞:『みんな我が子』
・ミュージカルリバイバル作品賞:『屋根の上のヴァイオリン弾き』(オフ)
・振付賞:『キス・ミー・ケイト』
・ミュージカル主演女優賞:『The Cher Show』

●ドラマリーグ賞
・プレイ新作賞:『The Ferryman』
・プレイリバイバル作品賞:『The Waverly Gallery』
・ミュージカル新作賞:『Hadestown』
・ミュージカルリバイバル作品賞:『キス・ミー・ケイト』

●チタ・リヴェラ賞
・振付賞:『Hadestown』
・男性ダンサー賞:『Ain’t Too Proud』
・女性ダンサー賞:『The Cher Show』『オクラホマ!』

●6月2日:ドラマデスク賞
・プレイ新作賞:『The Ferryman』
・ミュージカル新作賞:『The Prom』
・プレイリバイバル賞:『The Waverly Gallery』
・ミュージカルリバイバル賞:『屋根の上のヴァイオリン弾き』(オフ)
・ミュージカル主演男優賞・作曲賞・作詞賞・脚本賞:『トッツィー』
・ミュージカル主演女優賞:『The Cher Show』
・ミュージカル演出賞:『Hadestown』
・振付賞:『キス・ミー・ケイト』

こうして見ると、みんなで仲良く分け合ってほしかった筆者にとってはやや残念なのだが、新作ミュージカルに関しては割と『Hadestown』一色で幕を閉じそうな気配。というのも、『Hadestown』が作品賞を逃しているのは実は、オフでの初演時に一度ノミネートされているためそもそも対象外だった2賞で、『トッツィー』『The Prom』は言ってみれば“繰り上がり当選”のようなものなのだ。そして『キス・ミー・ケイト』と『オクラホマ!』の二択だったリバイバル作品賞は、オフの『屋根ヴァイ』が強さを見せる中どんぐりの背比べ的な様相も呈しているが、僅差で前者優勢といったところ。プレイ新作賞は、『The Ferryman』(『MOJO』のジェズ・バターワース作)でほぼ決まりと言えるだろう。

ちなみに、評論家や関係者が選ぶ各賞と違ってファンが選ぶため、例年トニー賞とは大きく異なる結果になりがちなので前哨戦とは全く言えないのだが、大手演劇サイトBroadway.comの読者投票による「オーディエンス賞」というのも毎年開催されており、今年は『Be More Chill』が最多の4部門、『プリティ・ウーマン』がそれに続く3部門を制する形となった。トニー賞受賞作に間違い(ハズレ)はほぼないが、数年前の『ファインディング・ネバーランド』のように、トニー賞に無視された「オーディエンス賞」受賞作にも良作はあるので、作品選びのご参考までに。

【今シーズンの新作】

■6月に始まる作品

『ムーラン・ルージュ!』6月28日プレビュー開始/7月25日開幕
バズ・ラーマン監督映画の舞台化。良キャストでトライアウトの評判も上々、期待しかない。
https://moulinrougemusical.com/

 

■既に上演中の作品

『Ain’t Too Proud』
『ジャージー・ボーイズ』チームが描くテンプテーションズの軌跡。振付とキャストが最高。
https://www.ainttooproudmusical.com/

『Be More Chill』
音楽、振付、演出から若さがあふれる、オフ発信の話題作。日本人的には微妙な描写も…。
https://bemorechillmusical.com/

『ビートルジュース』
ティム・バートン監督映画の舞台化。原作を知らないとノリについていけない可能性高し。https://beetlejuicebroadway.com/

『The Cher Show』
米歌手シェールの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。主演女優賞には食い込むかも?
https://thechershowbroadway.com/

『Hadestown』
ギリシャ神話が題材だが表現は現代的。いかにも『グレート・コメット』の演出家らしい舞台。
https://www.hadestown.com/

 

『キングコング』
あの、キングコング。ミュージカルというよりショーだと思えば意外と楽しめる。
https://kingkongbroadway.com/

『キス・ミー・ケイト』
今夏『王様と私』で来日するケリー・オハラ主演のコメディ。6月30日までなので急げ!
https://www.roundabouttheatre.org/get-tickets/2018-2019-season/kiss-me-kate

 

『オクラホマ!』
1943年初演の名作を21世紀の解釈でリバイバル。来年1月19日までの期間限定公演。
https://oklahomabroadway.com/

『プリティ・ウーマン』
名作映画をJ・ミッチェルが舞台化。トニー賞ノミネート0につきクローズは早そう。
https://prettywomanthemusical.com/

『The Prom』
プロム=高校生ものかと思いきやバックステージものでもあり超面白い。応援!
https://theprommusical.com/

『トッツィー』
主演俳優を筆頭に大変チャーミングな舞台。東宝出資中につき、日本版妄想も進む。
https://tootsiemusical.com/

【ロングラン作品】

■日本で既に上演された/されている作品

『アラジン』
ディズニーアニメが舞台ならではの手法で表現された秀作。魔法の絨毯もスゴイ。
https://www.aladdinthemusical.com/

『ビューティフル』
キャロル・キングの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。ロングラン6年目、そろそろ下火か。
https://beautifulonbroadway.com/

『シカゴ』
オペラ座の怪人に次ぐロングラン記録を更新中の名物作。7月1~14日、米倉涼子が登板!
https://chicagothemusical.com/

『ライオンキング』
開幕から20年以上経つというのに、未だ入場率がほぼ毎週100%を超える大ヒット作。
https://www.lionking.com/

『マイ・フェア・レディ』
1956年初演の名作を、渡辺謙主演『王様と私』の演出家がリバイバル。7月7日まで。
http://www.myfairladybway.com/

『オペラ座の怪人』
言わずと知れた世界的メガヒット作。圧倒的な知名度ゆえ、劇場では日本人に遭遇しがち。
http://www.thephantomoftheopera.com/

『ウィキッド』
開幕から15年が経ち、ようやくチケットに多少の余裕が。定期的に観たい傑作。
https://wickedthemusical.com/

■日本未上演の作品

『ブック・オブ・モルモン』
日本では永遠に上演されなさそうだが超絶面白い。モルモン教だけwikiで調べて観るべし。
https://bookofmormonbroadway.com/

『カム・フロム・アウェイ』
「911」の日、カナダの小さな町に起こった実話をシンプルだが力強い演出で描く感動作。
https://comefromaway.com/

『ディア・エヴァン・ハンセン』
深遠なテーマをスタイリッシュに描く、2017年のトニー賞受賞作。絶対日本でやると思う。
https://dearevanhansen.com/

『アナと雪の女王』
舞台ならではの表現が見当たらない残念作だが、満足感は保証する。生レリゴー最高。
https://frozenthemusical.com/

『ハミルトン』
開幕4年目にして未だ超入手困難なモンスター級ヒット作。文句なしに革新的。観るべし。
https://hamiltonmusical.com/

『ミーン・ガールズ』
同名映画の舞台化。なぜか人気。アメリカ的なノリについていける自信があればどうぞ。
https://meangirlsonbroadway.com/

『ウェイトレス』
同名映画の舞台化。完全に女子向け。観るとスイーツが食べたくなります。
https://waitressthemusical.com

【6月のミュージカルイベント】

 

トニー賞の熱も冷めやっていないであろう6月16日、以前紹介した「ブロードウェイ・ケアーズ」による毎年恒例のチャリティ・イベント、「ブロードウェイ・ベアーズ」が開催される。ベアーズといってもかわいいクマちゃんのBEARSではなくハダカのほうのBARESで、ジェリー・ミッチェルによって1992年に創始された、ブロードウェイスターが何やらとにかく脱ぎまくるバーレスクショー。ついて行けないアメリカ人ノリな気もしつつ、えらく盛り上がるようなので、一度くらい観てみたいと以前から思っている筆者である。

https://broadwaycares.org/pre-event/broadway-bares-2019/

第73回「トニー賞」<ミュージカル部門>受賞結果速報~ミュージカル作品賞『ハデスタウン』、ミュージカルリバイバル作品賞『オクラホマ!』

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第73回「トニー賞」授賞式が6月10日(月)(※現地時間では6月9日)アメリカ・ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールにて催され、各賞の受賞者、受賞作品が発表された。

このうち、<ミュージカル部門>でのミュージカル作品賞は『ハデスタウン』が受賞、また同作品はミュージカル助演男優賞、ミュージカル演出賞、ミュージカル装置デザイン賞、ミュージカル照明デザイン賞、ミュージカル音響デザイン賞、オリジナル楽曲賞、オーケストラ編曲賞と、今回最多の8部門受賞を果たした(13部門14ノミネートのうち)。またミュージカルリバイバル作品賞は『オクラホマ!』が受賞した。

以下、<ミュージカル部門>および<ミュージカル・演劇 共通部門>の受賞結果を記載する。

 
<ミュージカル部門>
 
■ミュージカル作品賞:『ハデスタウン』
■ミュージカルリバイバル作品賞:『オクラホマ!』
■ミュージカル主演男優賞:サンティーノ・フォンタナ(『トッツィー』)
■ミュージカル主演女優賞:ステファ二ー・J・ブロック(『ザ・シェール・ショー』)
■ミュージカル助演男優賞:アンドレ・デ・シールズ(『ハデスタウン』)
■ミュージカル助演女優賞:アリ・ストローカー(『オクラホマ!』)
■ミュージカル演出賞:レイチェル・チャフキン(『ハデスタウン』)
■ミュージカル脚本賞:ロバート・ホーン(『トッツィー』)
■ミュージカル装置デザイン賞:レイチェル・ホーク(『ハデスタウン』)
■ミュージカル衣装デザイン賞:ボブ・マッキー(『ザ・シェール・ショー』)
■ミュージカル照明デザイン賞:ブラッドリー・キング(『ハデスタウン』)
■ミュージカル音響デザイン賞:ネヴィン・スタインバーグ、ジェシカ・パズ(『ハデスタウン』)

<ミュージカル・演劇 共通部門>

■オリジナル楽曲賞:作詞作曲:アナイス・ミッチェル(『ハデスタウン』
■振付賞:セルジオ・トルヒーヨ(『エイント・トゥー・プラウド』)
■オーケストラ編曲賞:マイケル・チャオニー、トッド・シッカフース(『ハデスタウン』)

【動画】2019 Tony Awards: Hadestown


なお、「第73回トニー賞授賞式」(字幕版)が、2019年6月15日(土)夜7:00~ [WOWOWライブ]で放送される。(特設サイト: http://www.wowow.co.jp/stage/tony/

取材・文=こむらさき

第73回「トニー賞」受賞結果~『ハデスタウン』がミュージカル作品賞をはじめ最多8部門受賞

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ニューヨーク、ラジオシティ・ミュージックホールで第73回「トニー賞」授賞式が2019年6月10日(現地時間)に開催された。授賞式の司会を務めたのは、ジェームズ・コーデン。

<ミュージカル部門>のミュージカル作品賞は『ハデスタウン』が受賞、また同作品はミュージカル助演男優賞、ミュージカル演出賞、ミュージカル装置デザイン賞、ミュージカル照明デザイン賞、ミュージカル音響デザイン賞、オリジナル楽曲賞、オーケストラ編曲賞と、今回最多の8部門受賞を果たした(13部門14ノミネートのうち)。またミュージカルリバイバル作品賞は『オクラホマ!』が受賞した。

【動画】2019 Tony Awards: Hadestown

【動画】2019 Tony Awards: Rodgers & Hammerstein’s Oklahoma!

また、<演劇部門>における演劇作品賞は『ザ・フェリーマン』が受賞した。また、演劇リバイバル作品賞を『真夜中のパーティー』が受賞した。

【動画】2019 Tony Awards: The Ferryman

今回の受賞一覧は次のとおり。

第73回トニー賞2019 受賞一覧が受賞。グレー色はノミネート対象)

<ミュージカル部門>
 
■ミュージカル作品賞
『ハデスタウン』
・『エイント・トゥー・プラウド』
・『ビートルジュース』
・『ザ・プロム』
・『トッツィー』

 

■ミュージカルリバイバル作品賞
『オクラホマ!』
・『キス・ミー・ケイト』
 

■ミュージカル主演男優賞
サンティーノ・フォンタナ(『トッツィー』)

・ブルックス・アシュマンスカス(『ザ・プロム』)
・デリック・バスキン(『エイント・トゥー・プラウド』)
・アレックス・ブライトマン(『ビートルジュース』)
・デイモン・ドーノ(『オクラホマ!』)

 

■ミュージカル主演女優賞
ステファ二ー・J・ブロック(『ザ・シェール・ショー』)
・ケイトリン・キナナン(『ザ・プロム』)
・ベル・リーヴェル(『ザ・プロム』)
・エヴァ・ノブルザダ(『ハデスタウン』)
・ケリー・オハラ(『キス・ミー・ケイト』)

 

■ミュージカル助演男優賞
アンドレ・デ・シールズ(『ハデスタウン』)
・アンディ・グロテルーション(『トッツィー』)
・パトリック・ペイジ(『ハデスタウン』)
・ジェレミー・ポープ(『エイント・トゥー・プラウド』)
・イフライム・サイクス(『エイント・トゥー・プラウド』)

 

■ミュージカル助演女優賞
アリ・ストローカー(『オクラホマ!』)

・リリー・クーパー(『トッツィー』)
・アンバー・グレイ(『ハデスタウン』)
・サラ・スタイルズ(『トッツィー』)
・メアリー・テスタ(『オクラホマ!』)

 

■ミュージカル演出賞
レイチェル・チャフキン(『ハデスタウン』)
・スコット・エリス(『トッツィー』)
・ダニエル・フィッシュ(『オクラホマ!』)
・デス・マカナフ(『エイント・トゥー・プラウド』)
・ケイシー・ニコロウ(『ザ・プロム』)

 

■ミュージカル脚本賞
ロバート・ホーン(『トッツィー』)
・ドミニク・モリッソー(『エイント・トゥー・プラウド』)
・スコット・ブラウン、アンソニー・キング(『ビートルジュース』)
・アナイス・ミッチェル(『ハデスタウン』)
・ボブ・マーティン、チャド・ベグリン(『ザ・プロム』)


■ミュージカル装置デザイン賞
レイチェル・ホーク(『ハデスタウン』)
・ロバート・ブリル、ピーター・ニグリーニ(『エイント・トゥー・プラウド』)
・ピーター・イングランド(『キング・コング』)
・ローラ・ジェリネック(『オクラホマ!』)
・デヴィッド・コリンズ(『ビートルジュース』)

 

■ミュージカル衣装デザイン賞
ボブ・マッキー(『ザ・シェール・ショー』)

・マイケル・クラス(『ハデスタウン』)
・ウィリアム・アイヴィ・ロング(『ビートルジュース』)
・ウィリアム・アイヴィ・ロング(『トッツィー』)
・ポール・タズウェル(『エイント・トゥー・プラウド』)

 

■ミュージカル照明デザイン賞
ブラッドリー・キング(『ハデスタウン』)

・ケヴィン・アダムズ(『ザ・シェール・ショー』)
・ハウエル・ビンクリー(『エイント・トゥー・プラウド』)
・ピーター・マムフォード(『キング・コング』)
・ケネス・ポズナー、ピーター・ニグリーニ(『ビートルジュース』)

 

■ミュージカル音響デザイン賞
ネヴィン・スタインバーグ、ジェシカ・パズ(『ハデスタウン』)

・ピーター・ハイレンスキ(『ビートルジュース』)
・ピーター・ハイレンスキ(『キング・コング』)
・スティーヴ・キャニオン・ケネディ(『エイント・トゥー・プラウド』)
・ドリュー・レヴィ(『オクラホマ!』)

 
<演劇部門>
 
■演劇作品賞
『ザ・フェリーマン』
・『クワイヤ・ボーイ』
・『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』
・『インク』
・『ホワット・ザ・コンスティテューション・ミーンズ・トゥ・ミー』

 

■演劇リバイバル作品賞
『真夜中のパーティー』
・『みんな我が子』
・『BURN THIS 焼却処分』
・『トーチソング』
・『ザ・ウェイヴァリー・ギャラリー』

 

■演劇主演男優賞
ブライアン・クランストン(『ネットワーク』)
・ジェレミー・ポープ(『クワイヤ・ボーイ』)
・パディ・コンシダイン(『ザ・フェリーマン』)
・ジェフ・ダニエルズ(『アラバマ物語』)
・アダム・ドライヴァー(『BURN THIS 焼却処分』)

 

■演劇主演女優賞
エレイン・メイ(『ザ・ウェイヴァリー・ギャラリー』)
・ローリー・メトカーフ(『ヒラリー・アンド・クリントン』)
・アネット・べニング(『みんな我が子』)
・ハイジ・シュレック(『ホワット・ザ・コンスティテューション・ミーンズ・トゥ・ミー』)
・ジャネット・マクティア(『ベルナール/ハムレット』)

 

■演劇助演男優賞
バーティ・カーヴェル(『インク』)
・ブランドン・ウラノヴィッツ(『BURN THIS 焼却処分』)
・ベンジャミン・ウォーカー(『みんな我が子』)
・ロビン・デ・ヘスース(『真夜中のパーティー』)
・ギデオン・グリック(『アラバマ物語』)

 

■演劇助演女優賞
シーリア・キーナン・ボルジャー(『アラバマ物語』)
・フィオヌラ・フラナガン(『ザ・フェリーマン』)
・ルース・ウィルソン(『リア王』)
・クリスティン・ニールセン(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)
・ジュリー・ホワイト(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)

 

■演劇演出賞
サム・メンデス(『ザ・フェリーマン』)
・ルパート・グールド(『インク』)
・ジョージ・C・ウルフ(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)
・イヴォ・ヴァン・ホーヴェ(『ネットワーク』)
・バートレット・シャー(『アラバマ物語』)

 

■演劇装置デザイン賞
ロブ・ハウエル(『ザ・フェリーマン』)
・ミリアム・ビューサー(『アラバマ物語』)
・バニー・クリスティー(『インク』)
・サント・ロカスト(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)
・ヤン・ファーシュウェイフェルド(『ネットワーク』)

 

■演劇衣装デザイン賞
ロブ・ハウエル(『ザ・フェリーマン』)
・トニ=レスリー・ジェームズ(『ベルナール/ハムレット』)
・クリント・ラモス(『トーチソング』)
・アン・ロス(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)
・アン・ロス(『アラバマ物語』)

 

■演劇照明デザイン賞
ニール・オースティン(『インク』)
・ジュールス・フィッシャー + ペギー・アイゼンハワー(『ゲイリー:ア・シークエル・トゥ・タイタス・アンドロニカス』)
・ピーター・マムフォード(『ザ・フェリーマン』)
・ジェニファー・ティプトン(『アラバマ物語』)
・ヤン・ファーシュウェイフェルド、タル・ヤーデン(『ネットワーク)

 

■演劇音響デザイン賞
フィッツ・パットン(『クワイヤ・ボーイ』)

・アダム・コーク(『インク』)
・スコット・レーラー(『アラバマ物語』)
・ニック・パウエル(『ザ・フェリーマン』)
・エリック・スレイヒム(『ネットワーク』)

 

<ミュージカル・演劇 共通部門>
 
■オリジナル楽曲賞
作詞作曲:アナイス・ミッチェル(『ハデスタウン』
・作詞作曲:ジョー・アイコニス(『ビー・モア・チル』)
・作詞作曲:エディ・パーフェクト(『ビートルジュース』)
・作詞:チャド・べグリン、作曲:マシュー・スクラー(『ザ・プロム』)
・作曲:アダム・ゲッテル(『アラバマ物語』)
・作詞作曲:デヴィッド・ヤズベック(『トッツィー』)

 

■振付賞
セルジオ・トルヒーヨ(『エイント・トゥー・プラウド』)
・カミール・A・ブラウン(『クワイヤ・ボーイ』)
・ウォーレン・カーライル(『キス・ミー・ケイト』)
・デニス・ジョーンズ(『トッツィー』)
・デヴィッド・ニューマン(『ハデスタウン』)

 

■オーケストラ編曲賞
マイケル・チャオニー、トッド・シッカフース(『ハデスタウン』)
・サイモン・ヘイル(『トッツィー』)
・ラリー・ホックマン(『キス・ミー・ケイト』)
・ダニエル・クルーガー(『オクラホマ!』)
・ハロルド・ウィーラー(『エイント・トゥー・プラウド』)

 
<事前発表>
 
■功労賞
ローズマリー・ハリス
テレンス・マクナリー
ハロルド・ホイーラー
 
■特別賞
マリン・メージー
ソニー・ティルダース&クリーチャー・テクノロジー・カンパニー
ジェイソン・マイケル・ウェッブ
 
■地方劇場賞
シアターワークス・シリコンバレー
 
■イザベル・スティーヴンソン賞
ジュディス・ライト
 
■名誉賞
ブロードウェイ・インスピレーショナル・ボイス- マイケル・マッケルロイ(創設者)
ピーター・エンティン
ニューヨーク市消防局 第54消火班/第4はしご車班/第9大隊(※ブロードウェイが所轄の消防署)
ジョゼフ・ブレイクリー・フォーブス

■演劇教育活動賞
マデリン・マイケル

なお、「第73回トニー賞授賞式」(字幕版)は、2019年6月15日(土)夜7:00~ [WOWOWライブ]で放送される。(特設サイト: http://www.wowow.co.jp/stage/tony/

ブロードウェイ・ミュージカル『ピピン』日本版開幕へ~人生の意味を追い求める主人公を城田優が熱演

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ブロードウェイ・ミュージカル『ピピン』が、2019年6月10日(月)より東急シアターオーブで開幕する(公演は同月30日まで)。20世紀のアメリカ・エンターテインメント界の鬼才ボブ・フォッシーが1972年に演出・振付を手がけた世界初演の舞台は好評を博し、トニー賞5部門を受賞した。フランク王国カロリング朝のカール大帝の息子ピピンの物語を、リーディング・プレイヤー率いる一座が上演していくという趣向の作品だ。

2013年のブロードウェイ・リバイバル公演においては、日米ハーフの演出家ダイアン・パウルスが、サーカス一座によって上演していくという斬新なアイディアを持ち込み、こちらもヒットを記録してトニー賞4部門を受賞した。このたび上演される日本版は、このパウルス演出をベースに作られたもの。城田優がタイトルロールを、そして、これがミュージカル初挑戦となるクリスタル・ケイがリーディング・プレイヤーをそれぞれ演じることでも話題を呼んでいる。初日の前日にゲネプロ(総通し稽古)と囲み会見がおこなわれたので、レポートする。

囲み会見

ゲネプロに先がけて行なわれた城田とクリスタルの囲み会見をお届けする。開始前、会見場と控えのスペースとを区切る衝立の向こうから城田の歌う声が聞こえてきていたが、取材陣の前に姿を現してもハイテンションで、質問を入れる間もなく思いの丈を一気に話す姿が印象的。

「城田優ミュージカル史上一番難易度が高くてチャレンジングでスリリングな作品。こんなすごい役を演じることはもう人生でないと思う。言えば言うほど嘘くさくなってしまうけれども、とにかく観ればわかります。男に二言はありません」と、作品、役柄のすばらしさを断言。

ミュージカル初出演で大役に挑戦するクリスタルは、十年来の友人である城田がラインを送ったことが今回の出演のきっかけになったそう。「僕も彼女もすごい努力をしてきました。芝居で求められることも多く、歌も難しい。ブロードウェイと同じレベルかそれ以上のことが求められていて、アクロバットの稽古に一番時間をかけたほど、僕も彼女もすごいことをしています」と城田。

クリスタルはオープニング・ナンバーからアクロバットが用意され、城田は二幕の『Extraordinary』の歌の途中でバック宙(アシストあり)にも挑戦。「すべてのアクロバットが毎回100パーセント成功するかはわからないけれども、そこを含めて楽しんでもらうのが演出意図だと演出のダイアン(・パウルス)も言っていたので。シルク・ドゥ・ソレイユなどで活躍している世界のトップ・アクロバット・パフォーマーが活躍しているので、誰が観ても楽しめないわけがない」とアピール、「こんなに興奮して話すことってないかもしれない」と、自分の熱弁に自分でも少し驚くかのよう。

一方のクリスタルは、初挑戦での大役に「ハードルめっちゃ高いです」とこぼしつつも、「自分も観客になりたい」、客席から舞台を観てみたいと思うとか。「何の感情かわからないのだけれども、喜びや感動、観ていて参加する感じがして、ストーリーもわかっているし、自分も出演しているのに、毎回すごい! と思う。何回観ても楽しめる作品」と思いを語る。「彼女のすばらしいミュージカル・デビューをぜひ観てほしい。そして魔法にかかった時間を味わってほしい。僕の言葉を確かめてください。嘘だったらSNSで叩いてもいいですから」と、城田が重ねて熱い思いを語った。

ゲネプロの模様

幕に映ったシルエットがポーズを決める。幕が上がると、それはリーディング・プレイヤー(クリスタル・ケイ)の姿。そして登場する一座の面々。――そこは、魅惑のサーカス・テントだ。『ピピン』の有名なオープニングナンバー「Magic To Do」が流れ、リーディング・プレイヤーと一座の面々が、「私たちの魔法、楽しんでいかない?」といざなうように客席に歌いかける。ダンス。ジャグリング。アクロバット。夢の世界のさあ始まりだ。ナンバー終わりにピピン(城田優)が登場し、人生の意味を求める彼の冒険の旅が始まる。

大学を優秀な成績で卒業したピピンは、軍隊に入って父王チャールズ(カール大帝・今井清隆)と共に戦争で戦ってみる。「人生を楽しんで」との祖母バーサ(中尾ミエと前田美波里のダブルキャスト。ゲネプロ時は中尾ミエ)のアドバイスに従い、愛欲の日々にも溺れてみる。それにも飽きて、父に対して革命を試みてもみる。だが、彼が求める人生の充実感はなかなか得られることはない。――人生の意味とは? 目的とは? 人はその生において、いったい何に向かって進むべきなのか? おとぎ話、寓話の形をとって語られる物語を観るうちに、次第に自分自身の生について内省し始めている自分に気づく。

そんな哲学的な深遠さをもった作品をきらびやかに彩るのは、次々と繰り出されるハイレベルなアクロバットだ(サーカス・クリエーション担当はジプシー・スナイダー)。ブロードウェイ公演時の出演者も5名来日、ローラーボーラーなどの超絶技巧が舞台のあちこちで息つく間もなく展開されていて、目がいくつあっても足りないほど。ベッドシーンを表現したアクロバットのシークエンス(アクロバットが失敗する=ベッドでもうまく行っていない)のユーモアには、思わずニヤリとしてしまう。シルク・ドゥ・ソレイユをはじめとするヌーヴォー・シルクの作品がお好きな方にはぜひ観劇をお勧めしたい。ボブ・フォッシーのスタイルを汲んだチェット・ウォーカーの振付も、『シカゴ』『キャバレー』『パジャマゲーム』といったフォッシー作品を愛する方なら思わずうきうき見入ってしまうはず。後年あの『ウィキッド』を創り出すスティーヴン・シュワルツが作詞・作曲を手がけた楽曲はさすが、耳なじみのよい美しいナンバー揃いだ。

城田優は、人生の意味を追い求め、悩み、傷つき、あがき続ける主人公ピピンに、ナイーヴな持ち味がぴったりとはまり、作品を力強くリードする熱演を見せている。ジャクソン5もカヴァーした有名曲『Corner of the Sky』で聴かせるハイトーンも美しく、彼の代表作となることは間違いない。狂言回し的な役どころであるリーディング・プレイヤーを務めるクリスタル・ケイは、フォッシースタイルの粋なダンスも果敢にこなし、ミュージカル初挑戦ながらこの大役で健闘。なまめかしい魅力のある歌声が、どこか退廃的でもある『ピピン』の世界にぴったりだ。

演出家も「本当におもしろい人なの!」とインタビューの時に語っていたチャールズ王役の今井清隆は、天然ボケが大炸裂。ほのぼのとした笑いが癒し効果を誘う。彼を篭絡している妖婦ファストラーダ役の霧矢大夢は、大ダンス・ナンバーで見せる小気味いい踊りが印象的。その息子ルイスを演じる岡田亮輔は、「今までで最高のルイスになると思います」という演出家のお墨付き通り、軽快な演技を見せている。そして、未亡人キャサリン役を演じる宮澤エマがいい。彼女の存在は、後に、城田ピピンに人生の重大な選択を迫ることとなる。一座の面々が、それぞれの役を演じているというこの作品のメタ構造をもっとも濃厚に背負う役どころだが、嫌味のないコメディエンヌぶりが好感度大だ。

人生の意味とは――。作品のそんなテーマをもっともよく表すナンバーの一つ、「No Time at All」を歌うバーサ役の中尾ミエがすばらしい。以前にもこの役を演じたこともあってか、「一緒に歌って!」と呼びかけ、客席を巻き込んでいく手腕がお見事。そして、はらりとガウンを脱ぎ捨てると見事なおみ足が出現、そんなセクシー姿で空中へと上がっていき、足首をつかまれたまま逆さ宙吊りになるといった実にハードなアクロバットをこなしながら、人生楽しまなくちゃ! と、歌う! 自分自身で、「73歳!」と自分の年齢に突っ込みを入れながら。御年73歳で見せるその超絶パフォーマンスの心意気に、まさに、人生楽しまなくちゃ! の精神を感じ、感涙。「たくましいわね」と自分の身体を支えるパフォーマーに絡んでみたり、未だ衰えない女っぷりにも、感服。若ぶるでもない、年寄りぶるでもない、それでいて、自分が女性に生まれたことをいつまでも忘れず、さらっと優雅に放つ色気に、素敵に年輪を重ねてきた人生の達人ぶりを見る思い。アラサー、アラフォー、アラフィフなんて何のそののその姿は、過ぎ行く人生に悩める女子必見である。

取材・文=藤本真由(舞台評論家)
撮影=池上夢貢

第73回「トニー賞」授賞式開催、その時、WOWOWスタジオの井上芳雄、堂本光一らは!?

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2019年6月10日(月)午前8時からWOWOWにて放送された『生中継!第73回トニー賞授賞式』。アメリカの演劇界で最も権威のあるアワードの発表を日本でも同時進行で楽しむべく、日本スタジオでも様々な企画が披露された。この模様を紹介しよう。

番組冒頭から井上芳雄が現地のトニー賞授賞式さながらに歌でこのアワードを紹介。そこにスペシャルゲストの堂本光一が加わり、二人で歌いながらの開幕となった。

その後のトークでは光一が「こんな早朝に歌ったのは芸能生活初だ」と、のっけから苦笑していた。

これまでの日本スタジオとは異なり、今年は井上と光一が同じソファで横並びに座るスタイルでスタート。昨年ミュージカル『ナイツ・テイル』で共演して以来、親交を深め、さらに二人でこの番組のためにNYに観劇旅行したくらい、仲の良さが現れていると言えよう。二人は演劇評論家の影山雄成とともにモニターで現地の映像や紹介VTRなどを観ながら実際に現地で観た作品の感想などを思い思いに語り合っていた。

井上は番組の進行だけでなく、時には陰山ほか、勝田安彦(演出/翻訳家)や金井勇一郎(舞台美術家)といった演劇の専門家にも鋭い質問や意見を投げかける。真面目に進行しつつも『トッツィー』の紹介となると「東宝も出資しているから僕たちにも(出演の)チャンスがあるかも‼」と本音とも茶目っ気ともとれる発言をして、笑いを誘っていた。実際にパフォーマンスで『トッツィー』のパフォーマンスが披露されると「普通のおっちゃんだったのに、(いつの間にか)ステージ下から美しい女性が!」と驚きを隠し切れない様子。

『トッツィー』 (C)Getty Images

『トッツィー』 (C)Getty Images

一方、光一はミュージカル部門の主演男優賞にノミネートされている『エイント・トゥー・プラウド』のデリック・バスキンを「TOKIOのリーダー(城島茂)みたいで推せる!」。また主演女優賞にノミネートされた『ハデスタウン』のエヴァ・ノブルサダとの3ショット写真を見せながら「言い忘れたことがある。エヴァに『結婚してほしい』って」(※エヴァは既婚者)と暴露し、『ハデスタウン』のパフォーマンス中は頭に赤い花を載せた状態でエヴァの活躍を願いつつも歌う出番がなかったことに不満顔を見せたりと、自由にトークを重ねて、井上とともに大笑いしていた。

ミュージカル作品賞『ハデスタウン』 (C)Getty Images

ミュージカル作品賞『ハデスタウン』 (C)Getty Images

なお、ミュージカル主演女優賞の発表を受け、二人が推しに推しまくっていたエヴァが受賞を逃すとガックリ肩を落とした姿がカメラに抜かれていたのが印象的だった。

ミュージカル主演男優賞 サンティーノ・フォンタナ (C)Getty Images

ミュージカル主演男優賞 サンティーノ・フォンタナ (C)Getty Images

ミュージカル主演女優賞 ステファ二―・J・ブロック (C)Getty Images

ミュージカル主演女優賞 ステファ二―・J・ブロック (C)Getty Images

客席の中で演じられる『オクラホマ』のパフォーマンスがトニー賞授賞式の会場でどれだけの「再現率」を見せるか、についてはともに劇場で本物を観た井上、光一共に「カメラワークも含めて、劇場の雰囲気を再現していた」と感じ入り、また『ハデスタウン』の舞台装置の特徴をまとめたVTRについては二人は座席から身を乗り出して感心していた。

演劇リバイバル作品賞『真夜中のパーティー』 (C)Getty Images

演劇リバイバル作品賞『真夜中のパーティー』 (C)Getty Images

ミュージカル・リバイバル作品賞『オクラホマ!』 (C)Getty Images

ミュージカル・リバイバル作品賞『オクラホマ!』 (C)Getty Images

トニー賞授賞式の中継が終わった後の日本スタジオではミュージカル『怪人と探偵』から中川晃教、大原櫻子、加藤和樹が劇中歌「微笑みの影」を美しいハーモニーで歌い上げ、そして海宝直人が『ノートルダムの鐘』から「陽ざしの中へ」を熱唱し、井上、光一をはじめスタジオ内から大きな拍手が送られた。
 

第73回トニー賞2019 受賞一覧
 
<ミュージカル部門>
■ミュージカル作品賞『ハデスタウン』
■ミュージカルリバイバル作品賞『オクラホマ!』
■ミュージカル主演男優賞サンティーノ・フォンタナ(『トッツィー』)
■ミュージカル主演女優賞ステファ二ー・J・ブロック(『ザ・シェール・ショー』)
■ミュージカル助演男優賞アンドレ・デ・シールズ(『ハデスタウン』)
■ミュージカル助演女優賞アリ・ストローカー(『オクラホマ!』)
■ミュージカル演出賞レイチェル・チャフキン(『ハデスタウン』)
■ミュージカル脚本賞ロバート・ホーン(『トッツィー』)
■ミュージカル装置デザイン賞レイチェル・ホーク(『ハデスタウン』)
■ミュージカル衣装デザイン賞ボブ・マッキー(『ザ・シェール・ショー』)
■ミュージカル照明デザイン賞ブラッドリー・キング(『ハデスタウン』)
■ミュージカル音響デザイン賞ネヴィン・スタインバーグ、ジェシカ・パズ(『ハデスタウン』)
 
<演劇部門>
■演劇作品賞『ザ・フェリーマン』 
■演劇リバイバル作品賞『真夜中のパーティー』
■演劇主演男優賞ブライアン・クランストン(『ネットワーク』)
■演劇主演女優賞エレイン・メイ(『ザ・ウェイヴァリー・ギャラリー』)
■演劇助演男優賞バーティ・カーヴェル(『インク』)
■演劇助演女優賞シーリア・キーナン・ボルジャー(『アラバマ物語』)
■演劇演出賞サム・メンデス(『ザ・フェリーマン』)
■演劇装置デザイン賞ロブ・ハウエル(『ザ・フェリーマン』)
■演劇衣装デザイン賞ロブ・ハウエル(『ザ・フェリーマン』)
■演劇照明デザイン賞ニール・オースティン(『インク』) 
■演劇音響デザイン賞フィッツ・パットン(『クワイヤ・ボーイ』)
 
<ミュージカル・演劇 共通部門>
■オリジナル楽曲賞作詞作曲:アナイス・ミッチェル(『ハデスタウン』
■振付賞セルジオ・トルヒーヨ(『エイント・トゥー・プラウド』)
■オーケストラ編曲賞マイケル・チャオニー、トッド・シッカフース(『ハデスタウン』)
 
<事前発表>
■功労賞
ローズマリー・ハリス
テレンス・マクナリー
ハロルド・ホイーラー
■特別賞
マリン・メージー
ソニー・ティルダース&クリーチャー・テクノロジー・カンパニー
ジェイソン・マイケル・ウェッブ
■地方劇場賞
シアターワークス・シリコンバレー
■イザベル・スティーヴンソン賞
ジュディス・ライト 
■名誉賞
ブロードウェイ・インスピレーショナル・ボイス- マイケル・マッケルロイ(創設者)
ピーター・エンティン
ニューヨーク市消防局 第54消火班/第4はしご車班/第9大隊(※ブロードウェイが所轄の消防署)
ジョゼフ・ブレイクリー・フォーブス
■演劇教育活動賞
マデリン・マイケル
 

取材・文=こむらさき


ミュージカル『スクール・オブ・ロック』に西川貴教 柿澤勇人 濱田めぐみ 梶裕貴 相葉裕樹 はいだしょうこ 秋元才加ら出演

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2020年8月に東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で上演されるミュージカル『スクール・オブ・ロック』の主要キャストと演出家がこのほど明らかとなった。主人公デューイ役を西川貴教柿澤勇人がWキャストで務めるほか、校長ロザリー・マリンズ役を濱田めぐみ、デューイの親友ネッド役を梶裕貴相葉裕樹(Wキャスト)、ネッドの恋人パティ・ディ・マルコ役をはいだしょうこ秋元才加(Wキャスト)がそれぞれ演じる。また、この日本版演出を元第三舞台の主宰者で劇作家・演出家の鴻上尚史が手掛けることも発表された。

ミュージカル『スクール・オブ・ロック』は、2003年公開の同名アメリカ映画(主演:ジャック・ブラック)をミュージカル舞台化した作品だ。プロデュースと音楽を手掛けたのはアンドリュー・ロイド=ウェバー。『オペラ座の怪人』『キャッツ』『ジーザス・クライスト・スーパースター』などのヒット作品を次々と世に送り出した、ミュージカル界最大の作曲家である。そして、脚本に英ドラマ『ダウントン・アビー』やミュージカル『メリー・ポピンズ』のジュリアン・フェロウズ、作詞にディズニーミュージカル『リトル・マーメイド』やディズニー・アニメーション映画『塔の上のラプンツェル』のグレン・スレイターという最高のクリエイターが集結し2015年にブロードウェイで初演を迎えた。翌2016年には英ウエストエンドでも開幕し、いずれも大ヒットを記録した。なお、ミュージカルとは別に、2016年アメリカでドラマ化もなされ、2018年にNHKのEテレでシーズン1が放送されたことは記憶に新しい。

このミュージカルの日本版が、2020年8月に池袋の新劇場、東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で上演される。約7万人という大規模動員数を目指す。

本作の主人公は売れないロックンローラーのデューイ・フィン。この役を、数々のミリオンセラーを生み出し圧倒的な歌唱力とライブパフォーマンスで多くの人々を魅了する西川貴教と、数々のミュージカルで主演を務める若手俳優の柿澤勇人がWキャストで演じる。

このデューイがなりすまし教師で潜り込む名門進学校の校長ロザリー・マリンズ役には、日本を代表するミュージカル女優の濱田めぐみがあたる。また、デューイの親友で元ロッカーの臨時教師ネッド・シュニーブリー役を、アニメ『進撃の巨人』をはじめ数々の作品で主演を担当してきた人気声優の梶裕貴と、『レ・ミゼラブル』など大作ミュージカルへの出演が続く若手実力派俳優の相葉裕樹が、Wキャストで務める。そして、ネッドの恋人パティ・ディ・マルコ役は、宝塚歌劇団退団後、NHK「おかあさんといっしょ」の“うたのおねえさん”や歌手、女優、バラエティ番組などで活躍中のはいだしょうこと、AKB48を卒業後、女優として舞台やドラマなどで活躍を続ける秋元才加が、こちらもWキャストで初演に臨むこととなった。

他に、阿部裕、栗山絵美、多岐川装子、俵和也、丹宗立峰、ダンドイ舞莉花、中西勝之、長尾哲平、西野誠、湊陽奈、安福 毅の出演も決定。さらに、メインキャストとなるバンドメンバー(生徒役)たちは2019年6月30日に応募締切となるオーディションで決定される。

演出家・主要キャスト7名よりコメントが届いたので、以下に紹介する。

■鴻上尚史 ー 日本版演出

鴻上尚史

鴻上尚史

僕は、学校の無意味な校則に対して、学生時代、ずっと戦ってきました。それは、学校が本当の意味で教育がおこなわれる場所であってほしいと思っていたからです。学校への複雑な思いは、僕が作品を創り続ける核のひとつになっています。本当の教育とはなにか? そんな真面目で誠実な問いを、あまりにも見事なエンターテイメントに昇華した作品に出会い、興奮しました。クリエイターとして、教育の問題を、こんなに楽しく、ごきげんなミュージカルにする実力に震えます。この作品の素晴らしさをちゃんと日本でも伝えたいと思います。

■西川貴教 ー デューイ・フィン役(Wキャスト)

西川貴教

西川貴教

3年前、仕事でニューヨークを訪れました。短い滞在期間でレコーディングと撮影を行うので全く予備日がなかったのですが、唯一観られた作品が『SCHOOL OF ROCK』でした。そんな作品の主演を後に務めさせて頂く事になるとは、夢にも思いませんでした。かのアンドリュー・ロイド=ウェバー氏の力強い楽曲を歌わせて頂くプレッシャーはありますが、主人公デューイをエネルギッシュに演じられればと思っています。日本初上陸のミュージカル『スクール・オブ・ロック』是非ご期待下さい!

■柿澤勇人 ー デューイ・フィン役(Wキャスト)

柿澤勇人

柿澤勇人

才能のある子供達と共に、歌って叫んで暴れることが今から楽しみです。一方でエレキギターは初めての経験なのでレッスンを始めています。左指先の豆が徐々に育ち、街のフェンスや自宅の駐車場のシャッターがギターのフレットに見えてくるほどプレッシャーを感じ始めています。お客様には、ライブに遊びに行く感覚で劇場にお越しいただけたら幸いです!!

■濱田めぐみ ー ロザリー・マリンズ役

濱田めぐみ

濱田めぐみ

いよいよ発動ですね!ワクワクしています!子供達のパワーとキャストの化学反応、そして音楽と演出、日本初演版がどうなるのか今から楽しみでしかたありません!とにかく楽しくパワフルで、大興奮間違いなしの『スクール・オブ・ロック』! 皆様のお越しを劇場でガッツリとお待ち申し上げております!

■梶 裕貴 ー ネッド・シュニーブリー役(Wキャスト)

梶裕貴

梶裕貴

この度、ネッド役を演じさせていただくことになりました、声優の梶裕貴です。映画版を拝見し、そこに描かれている物語やキャラクターの魅力はもちろん、音楽の持つ強いエネルギーにとても感動しました。型にハマらないロックの魅力を、舞台を通して、皆様にお届けするお手伝いができたらと思っています。ミュージカル経験のない私ですが、偉大なる先輩方の胸をお借りしつつ、全身全霊で取り組ませていただきたいと思っています。どうぞ、よろしくお願い致します。

■相葉裕樹 ー ネッド・シュニーブリー役(Wキャスト)

相葉裕樹

相葉裕樹

世界各国で愛されるこの作品の一員になれることをとても光栄に思います。僕自身、あまりロックに触れて来なかったので新たな挑戦が出来ることに高揚しています。臨場感溢れるステージがこの作品の魅力のひとつだと思いますが、どんなステージになるのか僕も今から楽しみです。音楽を通して皆様とたくさんのものを共有できればと思います。老若男女、誰でも楽しめるこの作品、是非劇場に体感しに来てください。お待ちしております。

■はいだしょうこ ー パティ・ディ・マルコ役(Wキャスト)

はいだしょうこ

はいだしょうこ

私はクラシックの環境で育った事もあり、ロックとは無縁で、どちらかというと苦手な分野でした(笑)。でも、この映画でロックに対する気持ちが変わりました。デューイの情熱、ユニークさに惹きつけられ、子供たちの気持ちに共感でき、最後には胸が熱くなりました!この作品に出演できる事、そして、素敵な共演者の方々とご一緒させて頂ける事、今から楽しみでワクワクしています!

■秋元才加 ー パティ・ディ・マルコ役(Wキャスト)

秋元才加

秋元才加

『スクール・オブ・ロック』このタイトルを聞いただけで、ワクワクドキドキしていた自分がいました。音楽は色々なことを教えてくれます。この舞台で思う存分、『ROCK』を感じていきたいです。1ステージが世界を変える! ワクワクするような物語を、素晴らしいキャストの皆様、そして観客の皆様と共に作り上げていけたら!
 

【あらすじ
アマチュアロックバンドのギタリストのデューイは心からロックを愛する男だったが、その熱すぎる情熱と勝手なパフォーマンスが原因でバンドをクビになってしまう。友人ネッドのアパートに居候しているデューイだが、貧乏で家賃すら払えず、ネッドの恋人パティと喧嘩し住む場所も無くなりそうな最悪な状況に。そんな時、ネッドに私立学校の臨時教師の話が舞い込み、仕事が欲しかったデューイはネッドになりすまして名門ホレス・グリーン学院へと向かう。
 
厳格なロザリー校長のもとエリート進学校として名高いホレス・グリーン学院だが、デューイは厳格な規律の多い学校で過ごす子供たちが無気力な事に気がつき、さらに担任したクラスの子供たちに音楽の才能があることも見つけ、子供たちとバンドを組んでバンドバトルに出場することを思いつく。そして、学校や親に気づかれぬよう、授業と称して子供たちにロックのあらゆることを教え始める。
 
クラシックしか耳にしたことがないような生徒たちは、最初は困惑していたが、やがてデューイの陽気な人柄やロックの開放感、ありのままの自分を認めてくれるデューイに魅力を感じはじめ、一緒にバンドバトルを目指して猛練習を始める。ある日、デューイが偽物教師だということがバレてしまうが、デューイとのロックを通し変わり始める子ども達の変化は、周囲の大人たちをも変えていくことになる。

 

ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B’wayミュージカル非公式ガイド【2019年7月編】

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過去連載一覧はこちら

シーズンを締め括る年に一度のビッグイベントということで、ここ2回ほどトニー賞関連の情報ばかりお伝えしていたこの連載も、今回からは通常営業。とは言え、思わしくない結果に終わった作品のクローズが続々と決まるなどした影響で、真ん中の「リスト部分」に大幅更新の必要が出てきたため、最初の「観劇旅行未経験者の疑問に答えるQ&A部分」と最後の「今月のイベント部分」は軽めにしてお届けする。というわけで、早速。

Q.観劇旅行、どこに泊まったらいい?

NYのホテルは異常に高い。1泊1万円以下で泊まれるのなんて共同トイレのドミトリーくらいで、3万出してようやく日本のビジホレベルという感じ。しかも劇場街(=観光の中心地)の近くとなると、どんなに高くしても需要がある上に建物が密集しているため、3万出してもまあまあ汚くて窓がなかったりもする。なのでもちろん、予算を重視するなら劇場街から離れたホテルにするのがベストなのだが、そこはやはり観劇旅行。一歩出たらもう劇場!窓から劇場が見える!終演10分後にはもう就寝!みたいな生活がしたいではないか。

そうなると選ぶべきは、ざっくり35~55丁目(南北)/6~9番街(東西)以内のホテル。そう広い範囲ではないが、それでもバジェット系から高級系まで死ぬほど数がある。どこを選ぶかはお好み次第だが、割と毎回違うところに泊まりたがるため結構な数を経験している筆者の個人的なオススメは、予算がそこそこ潤沢ならウェスティン、中くらいならマンハッタン(トップ画像右手)、あまりないならエジソンといったところ。ただ、同じホテルでも部屋によってレベルが異なることもあり、結局のところ運という気もする。なんだかんだ、日本の旅行会社を通すといい部屋をあてがわれがちな印象があるが、どうなのだろうか。

【今シーズンの新作】

■7月に始まる作品

なし。トニー賞が終わり、新シーズンが始まったばかりの今は、ミュージカル・プレイを問わず新作の閑散期(ジェイク・ギレンホール主演のプレイ『Sea Wall / A Life』が唯一の今月から始まる作品)。代わりに単発もののコンサートが多く、歌手で作曲家のバリー・マニロウ、マジシャンのクリス・エンジェル、コメディアンのデイヴ・シャペルがオンの劇場で公演を行うので、行ってみたらそれはそれで面白いかもしれない。

■既に上演中の作品

『ムーラン・ルージュ!』プレビュー中/7月25日開幕
バズ・ラーマン監督映画の舞台化。良キャストでトライアウトの評判も上々、期待しかない。
https://moulinrougemusical.com/

 
 

【ロングラン作品】

■日本で既に上演された/されている作品

『アラジン』
ディズニーアニメが舞台ならではの手法で表現された秀作。魔法の絨毯もスゴイ。
https://www.aladdinthemusical.com/

『ビューティフル』
キャロル・キングの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。ロングラン6年目、そろそろ下火か。
https://beautifulonbroadway.com/

『シカゴ』
オペラ座の怪人に次ぐロングラン記録を更新中の名物作。7月1~14日、米倉涼子が登板!
https://chicagothemusical.com/

『ライオンキング』
開幕から20年以上経つというのに、未だ入場率がほぼ毎週100%を超える大ヒット作。
https://www.lionking.com/

『マイ・フェア・レディ』7月7日まで
1956年初演の名作を、今月来日公演を行う『王様と私』の演出家がリバイバル。上質。
http://www.myfairladybway.com/

『オクラホマ!』
1943年初演の名作を21世紀の解釈でリバイバル。2019年トニー賞。来年1月19日まで。
https://oklahomabroadway.com/

『オペラ座の怪人』
言わずと知れた世界的メガヒット作。圧倒的な知名度ゆえ、劇場では日本人に遭遇しがち。
http://www.thephantomoftheopera.com/

『ウィキッド』
開幕から15年が経ち、ようやくチケットに多少の余裕が。定期的に観たい傑作。
https://wickedthemusical.com/

■日本未上演の作品

『Ain’t Too Proud』
『ジャージー・ボーイズ』チームが描くテンプテーションズの軌跡。振付とキャストが最高。
https://www.ainttooproudmusical.com/

『Be More Chill』8月11日まで
音楽、振付、演出から若さがあふれる、オフ発信の話題作。日本人的には微妙な描写も…。
https://bemorechillmusical.com/

『ビートルジュース』
ティム・バートン監督映画の舞台化。原作を知らないとノリについていけない可能性高し。https://beetlejuicebroadway.com/

『ブック・オブ・モルモン』
日本では永遠に上演されなさそうだが超絶面白い。モルモン教だけwikiで調べて観るべし。
https://bookofmormonbroadway.com/

『The Cher Show』
米歌手シェールの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。2019年のトニー賞主演女優賞受賞作。
https://thechershowbroadway.com/

『カム・フロム・アウェイ』
「911」の日、カナダの小さな町に起こった実話をシンプルだが力強い演出で描く感動作。
https://comefromaway.com/

『ディア・エヴァン・ハンセン』
深遠なテーマをスタイリッシュに描く、2017年のトニー賞受賞作。絶対日本でやると思う。
https://dearevanhansen.com/

『アナと雪の女王』
舞台ならではの表現が見当たらない残念作だが、満足感は保証する。生レリゴー最高。
https://frozenthemusical.com/

『Hadestown』
『グレコメ』の演出家が現代的に描くギリシャ神話。2019年のトニー賞で8冠を達成。
https://www.hadestown.com/

『ハミルトン』
開幕4年目にして未だ超入手困難なモンスター級ヒット作。文句なしに革新的。観るべし。
https://hamiltonmusical.com/

『キングコング』8月18日まで
あの、キングコング。ミュージカルというよりショーだと思えば意外と楽しめる。
https://kingkongbroadway.com/

この作品に限りカーテンコール撮影OKだった

この作品に限りカーテンコール撮影OKだった

『ミーン・ガールズ』
同名映画の舞台化。なぜか人気。アメリカ的なノリについていける自信があればどうぞ。
https://meangirlsonbroadway.com/

『プリティ・ウーマン』
あの名作映画が原作。あの曲が投入されるロンドン版(2020年開幕)のほうが買い、かも。
https://prettywomanthemusical.com/

『The Prom』8月11日まで
プロム=高校生ものかと思いきやバックステージものでもあり超面白い。翻訳上演希望!
https://theprommusical.com/

『トッツィー』
主演俳優を筆頭に大変チャーミングな舞台。東宝出資中につき、日本版妄想も進む。
https://tootsiemusical.com/

『ウェイトレス』
同名映画の舞台化。完全に女子向け。観るとスイーツが食べたくなります。
https://waitressthemusical.com

【7月のミュージカルイベント】

2016年の同イベントの開演前の様子

2016年の同イベントの開演前の様子

久々に筆者が実体験を元にオススメできるイベントの登場。劇場街からほど近いブライアント公園で、オン/オフ・ブロードウェイで上演中のミュージカルの現役キャストがナンバーを披露する無料野外コンサート、「Broadway in Bryant Park」だ。今年(2019年)の開催は7月11日から8月15日までの毎週木曜の昼で、主な出演チームは以下の通り。会場が広く、早めの場所取りをしなくても入ることはできるので、NYにいるならとりあえず行ってみよう。

●7月11日:『Be More Chill』『キングコング』『ストンプ』『ウィキッド』
●7月18日:『ビートルジュース』『シカゴ』『カム・フロム・アウェイ』『ジャージー・ボーイズ』『ウェイトレス』
●7月25日:『アラジン』『アナと雪の女王』『ライオンキング』
●8月1日:『The Cher Show』『The Prom』
●8月8日:『ビューティフル』『オクラホマ!』『プリティ・ウーマン』
●8月15日:『ミーン・ガールズ』『オペラ座の怪人』『トッツィー』

https://bryantpark.org/programs/broadway-in-bryant-park

松竹ブロードウェイシネマ第3弾にミュージカル『42nd ストリート』が登場

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ブロードウェイの舞台を映画館で楽しめる「松竹ブロードウェイシネマ」の第3弾にトニー賞受賞作品『42nd ストリート』の上映が決まった。2019年10月18日(金)から東劇で先行限定公開、10月25日(金)よりなんばパークスシネマ(大阪)、ミッドランドスクエア シネマ(名古屋)ほか全国で順次限定ロードショーとなる。今回は2017年から2019年の初め頃まで「シアター・ロイヤル・ドルリー・レーン」でリバイバル公演された舞台の上映だ。

本作品は、1933年に公開された大ヒット・ミュージカル映画『四十二番街』を舞台化したものだ。名演出家と一人のコーラスガールが新しい舞台を作り上げていくストーリーで、日本では1997年に涼風真世の主演で初演され、その後3度再演している。

見どころはなんといっても華やかなレビューシーンだが、映画では群舞のダンサーたちを上から撮影する「バークレイ・ショット」という手法をとったことが話題となり、その後影響を受けたミュージカル映画が数多くある。舞台では表現できない映画ならではの魅力だが、今回も撮影に何台もの高性能カメラを使用し、映画館で楽しめる映像に仕上がっている。群舞シーンでは大人数のダンサーたちが、生き生きと迫力たっぷりに踊りあげている。

(C)Brinkhoff/Mogenburg 

(C)Brinkhoff/Mogenburg 

(C)Brinkhoff/Mogenburg 

(C)Brinkhoff/Mogenburg 

(C)Brinkhoff/Mogenburg 

(C)Brinkhoff/Mogenburg 

(C)Brinkhoff/Mogenburg 

(C)Brinkhoff/Mogenburg 

主役のペギーは夢を胸に秘め、新しい世界へ飛び立とうとする。さまざまな困難が立ちはだかる中、希望を胸に笑顔で前進していく姿にすがすがしさを感じる人もいるだろう。華やかなレビューシーンとともに、そうしたドラマも楽しみたい。

ミュージカル映画『キャッツ(原題:CATS)』、感涙必至の第一弾予告映像が解禁

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映画『キャッツ(原題:CATS)』が2020年1月24日(金)に日本公開される。その第一弾予告映像が遂に解禁となった。ファンには感涙必至の映像だ。

【動画】『キャッツ(原題:CATS)』第一弾予告映像


あまりに有名な「メモリー」をはじめとする名曲が次々登場し、全世界累計観客動員数8100万人、日本公演通算1万回を記録するなど、1981年のロンドン初演以来、今なお世界中で愛され続けるミュージカルの金字塔『キャッツ』。イギリスを代表する詩人でありノーベル文学賞を受賞したT・S・エリオットの詩集を元に、『ジーザス・クライスト・スーパースター』『エビータ』『オペラ座の怪人』などで知られるアンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲を手掛け、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』などで知られるキャメロン・マッキントッシュがプロデュースを手がけた、まさに天才達が生み出したこの奇跡の作品が、超豪華キャストとスタッフの手により、ついに映画化された。

映画『キャッツ』 (C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

映画『キャッツ』 (C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

映画『キャッツ』 (C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

映画『キャッツ』 (C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

白猫のヴィクトリアを演じるのは、英国ロイヤルバレエ団でプリンシパルダンサーを務めるフランチェスカ・ヘイワード。そのほかコメディアンや司会者として全米No.1の人気を集め、日本でも「SK-Ⅱ」のCMで知られるジェームズ・コーデンがバストファージョーンズを。『ドリームガールズ』(06)で高い歌唱力と演技力を発揮し、第79回アカデミー賞助演女優賞を受賞したジェニファー・ハドソンがグリザベラとして出演。また、グラミー賞32回ノミネート、10度の受賞経験を持つ世界的人気シンガー:テイラー・スウィフトもボンバルリーナで出演する。さらに、オールドデュトロノミーをジュディ・デンチ、マキャヴィティをイドリス・エルバ、ガスをイアン・マッケラン、ジェニエニドッツをレベル・ウィルソンと、多彩なジャンルから珠玉の超豪華キャストたちが勢ぞろいする。

映画『キャッツ』 (C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

映画『キャッツ』 (C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

映画『キャッツ』 (C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

映画『キャッツ』 (C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

本作の監督を務めるのは、第83回アカデミー賞受賞作品『英国王のスピーチ』(10)や『レ・ミゼラブル』(12)で歴史的ミュージカルの映画化を成功に導いたトム・フーパー。製作総指揮には、アンドリュー・ロイド=ウェバーと共にスティーヴン・スピルバーグらの名も連なる。振付は『ハミルトン』のアンディ・ブランケンビューラー(ブロードウェイ・リヴァイヴァル版『キャッツ』の演出も務めた)。その他スタッフ陣には『レ・ミゼラブル』組が再集結。

今から期待に胸を膨らませるべし!!

映画『キャッツ』 (C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

映画『キャッツ』 (C)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B’wayミュージカル非公式ガイド【2019年8月編】

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7月後半、4年ぶりにロンドンに行っていた。そんなわけでブロードウェイ連載であるにもかかわらず、堂々と二大劇場街のもう一方であるウエスエンドの、しかもほぼ『レ・ミゼラブル』の劇場しか写っていない画像をトップに置いているわけだが、これにはちょっとした意図も、ないわけでもない。よくよく見るとレミゼの奥にいくつかの劇場が写り込んでいる、これが筆者が今回収めることのできた精一杯の「劇場街」ふう写真で、「ザ・劇場街!」な写真がいくらでも撮れるブロードウェイとウエストエンドとは、そんなところも違うんだな、などと感じたことを表したかったのだ。という流れで、今月のQ&Aにぬるっと移行。

Q.ブロードウェイとウエストエンド、何が違う?

筆者自身の訪れている頻度がまるで違う(ブロードウェイは年に一度、ウエストエンドは2~5年に一度)ため、正確に比較することは難しいのだが、少なくともブロードウェイのほうが商業化・観光化されていることは事実であるように思う。そもそもブロードウェイには、オン/オフ/オフオフと呼ばれる劇場に座席数の違いによる明確な定義があり、世界各地に輸出されるような名作は大体オンから生まれる(オフから生まれてもオンを経由する)し、そのオンにはトニー賞を境とする分かりやすいシーズンがある。

それに対してウエストエンドというのは、ロンドンにある無数の劇場のうち商業的なものに何となく与えられている呼称で、世界各地に輸出されるようになる名作は実は、いわゆるウエストエンドではない非営利の劇場から生まれていることが少なくなかったりする。また、期間限定公演も多いため“シーズン感”に乏しく、行く時期を決めることも、決めた時期に上演されている、開幕したてで未だ評価の定まらない作品群から観劇するものを選ぶことも難しい。いやもちろん、あらゆる劇場の情報をつぶさに追っていれば勘所がつかめてくるのだろうが、海外からではなかなか追いきれないというのが筆者の実感だ。

というわけで今回も、なんとか情報をかき集めて厳選した7本のミュージカルを観劇して来たのだが、オリヴィエ賞に輝くような名作を探り当てられた気はせず(そもそもやっていない時期だったのかもしれないが、今回の場合は『レ・ミゼラブル』オリジナル演出版千秋楽という明確な目的があったため時期の選択肢はほかになかった)、ブロードウェイの海外在住オタクに対する優しさを改めて感じた次第。またそういったことを度外視しても、特に近年に関してはミュージカルはブロードウェイ、プレイはロンドンが強い傾向にあるため、ミュージカル好きにはやはりブロードウェイをオススメしたい筆者なのだった。

とは言えもちろん、ロンドンだってパラダイスであることに変わりはない

とは言えもちろん、ロンドンだってパラダイスであることに変わりはない

 

【今シーズンの新作】

■8月に始まる作品

またもや、なし。というか、10月の『Tina: ザ・ティナ・ターナー・ミュージカル』、12月の『ウエスト・サイド・ストーリー』まで主だったミュージカルの開幕はないのだが、今月は昨シーズンのトニー賞で良い結果を残せなかった『Be More Chill』『The Cher Show』『キングコング』『プリティ・ウーマン』『The Prom』が揃ってクローズを迎える。寂しいが、それにより空いた劇場に今シーズンの新作が入る、それがB’wayの性なのだろう。

■既に上演中の作品

『ムーラン・ルージュ!』
バズ・ラーマン監督映画の舞台版がついに開幕!劇評も客の入りも上々、観たいしかない。
https://moulinrougemusical.com/

 

【ロングラン作品】

■日本で既に上演された/されている作品

『アラジン』
ディズニーアニメが舞台ならではの手法で表現された秀作。魔法の絨毯もスゴイ。
https://www.aladdinthemusical.com/

『ビューティフル』
キャロル・キングの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。10月27日でのクローズが決定。
https://beautifulonbroadway.com/

『シカゴ』
オペラ座の怪人に次ぐロングラン記録を更新中の名物作。出来は割とキャスト次第。
https://chicagothemusical.com/

『ライオンキング』
開幕から20年以上経つというのに、未だ入場率がほぼ毎週100%を超える大ヒット作。
https://www.lionking.com/

『オクラホマ!』
1943年初演の名作を21世紀の解釈でリバイバル。2019年トニー賞。来年1月19日まで。
https://oklahomabroadway.com/

『オペラ座の怪人』
言わずと知れた世界的メガヒット作。圧倒的な知名度ゆえ、劇場では日本人に遭遇しがち。
http://www.thephantomoftheopera.com/

『ウィキッド』
開幕から15年が経ち、ようやくチケットに多少の余裕が。定期的に観たい傑作。
https://wickedthemusical.com/

■日本未上演の作品

『Ain’t Too Proud』
『ジャージー・ボーイズ』チームが描くテンプテーションズの軌跡。振付とキャストが最高。
https://www.ainttooproudmusical.com/

『Be More Chill』8月11日まで
音楽、振付、演出から若さがあふれる、オフ発信の話題作。日本人的には微妙な描写も…。
https://bemorechillmusical.com/

『ビートルジュース』
ティム・バートン監督映画の舞台化。原作を知らないとノリについていけない可能性高し。https://beetlejuicebroadway.com/

『ブック・オブ・モルモン』
日本では永遠に上演されなさそうだが超絶面白い。モルモン教だけwikiで調べて観るべし。
https://bookofmormonbroadway.com/

『The Cher Show』8月18日まで
米歌手シェールの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。2019年のトニー賞主演女優賞受賞作。
https://thechershowbroadway.com/

『カム・フロム・アウェイ』
「911」の日、カナダの小さな町に起こった実話をシンプルだが力強い演出で描く感動作。
https://comefromaway.com/

『ディア・エヴァン・ハンセン』
深遠なテーマをスタイリッシュに描く、2017年のトニー賞受賞作。絶対日本でやると思う。
https://dearevanhansen.com/

『アナと雪の女王』
舞台ならではの表現が見当たらない残念作だが、満足感は保証する。生レリゴー最高。
https://frozenthemusical.com/

『Hadestown』
『グレコメ』の演出家が現代的に描くギリシャ神話。2019年のトニー賞で8冠を達成。
https://www.hadestown.com/

『ハミルトン』
開幕5年目にして未だ超入手困難なモンスター級ヒット作。文句なしに革新的。観るべし。
https://hamiltonmusical.com/

『キングコング』8月18日まで
あの、キングコング。ミュージカルというよりショーだと思えば意外と楽しめる。
https://kingkongbroadway.com/

『ミーン・ガールズ』
同名映画の舞台化。なぜか人気。アメリカ的なノリについていける自信があればどうぞ。
https://meangirlsonbroadway.com/
 
『プリティ・ウーマン』8月18日まで
あの名作映画が原作。あの曲が投入されるロンドン版(2020年開幕)のほうが買い、かも。
https://prettywomanthemusical.com/
 
最大の見どころだった(私見)アンディ・カールは既に降板

最大の見どころだった(私見)アンディ・カールは既に降板

『The Prom』8月11日まで
プロム=高校生ものかと思いきやバックステージものでもあり超面白い。翻訳上演希望!
https://theprommusical.com/

『トッツィー』
主演俳優を筆頭に大変チャーミングな舞台。東宝出資中につき、日本版妄想も進む。
https://tootsiemusical.com/

『ウェイトレス』
同名映画の舞台化。完全に女子向け。来年1月5日でのクローズが決定。
https://waitressthemusical.com

【8月のミュージカルイベント】

 

ミュージカルではないことのほうが多いのだが、夏のNY演劇界の風物詩と言えばこちら、「シェイクスピア・イン・ザ・パーク」。NY公共劇場の雄、パブリック・シアターの主催により、セントラルパーク内の野外劇場で毎年2本ほどのシェイクスピア劇が、なんとチケット代無料にて上演されるというものだ。今年の演目は、ケニー・レオン演出の『から騒ぎ』(既に上演終了)と、ダニエル・サリヴァン演出の『コリオレイナス』(上演中~8月11日まで)。無料チケットを求める人々の行列もまた風物詩、加わってみるのも一興だ。

https://www.publictheater.org/en/Programs--Events/Shakespeare-in-the-Park/Shakespeare-in-the-Park-2019/?SiteTheme=Shakespeare

米倉涼子主演『CHICAGO』の来日公演が大阪で開幕 女優デビュー20周年、誕生日サプライズも

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2019年8月1日(木)、米倉涼子が主演するブロードウェイミュージカル『シカゴ』(英語上演、日本語字幕付き)が大阪・オリックス劇場で来日公演の初日を迎えた。米倉は、女優デビュー20周年のアニバーサリーイヤーにふさわしく、7月には自身3度目となる本場ニューヨーク・ブロードウェイ公演でも主演を務めた。日本人女優として史上初の快挙を達成した興奮そのままに、待望の来日公演が大阪で開幕した。

7月のブロードウェイ公演を踏まえ、米倉涼子は「とにかくたくさんのお客様に喜んでいただけたので、日本公演も精一杯頑張りたい」とコメント。物語の鍵を握る悪徳敏腕弁護士ビリー・フリン役のピーター・ロッキアーは、「涼子とは舞台上でとても楽しく上演できている」と笑顔で語った。公私ともに“相棒”というヴェルマ・ケリー役で史上最多出演数を誇るアムラ=フェイ・ライトも「涼子と私たちは毎日より良くなっている。涼子とは親友同士としての化学変化も楽しみたい」と上々の仕上がりをアピールした。

ブロードウェイミュージカル『シカゴ』

ブロードウェイミュージカル『シカゴ』

本作は1997年に初演。これまでトニー賞最優秀リバイバル・ミュージカル作品賞を含む6部門、ローレンス・オリヴィエ賞2部門、グラミー賞を獲得。アメリカ(ブロードウェイ)作品として歴代1位のロングラン、世界36カ国、500都市以上、12言語で上演されているメガヒット・ミュージカルだ。実話に基づいた2人の“悪女”によるシンデレラ・ストーリーはスキャンダラスで、「オール・ザット・ジャズ」など劇中を彩るナンバーも名曲揃い。加えて鬼才ボブ・フォッシーによる振付はスタイリッシュかつセクシーで、それらが三位一体となり極上のエンターテインメントとして、色褪せぬ輝きを放ち続けている。

大阪公演からのスタートに米倉は「私が日本人キャストとして抜擢されて以来の大阪公演なので、たくさんの方に観ていただけるようで嬉しい」と笑顔でコメント。過去何度も大阪を訪れているアムラは、来ると必ず大阪城観光に行くという。大阪グルメも一足先に米倉と堪能したと言い、「何を食べたかは二人の秘密」とここでも二人の仲の良さをうかがわせた。

ブロードウェイミュージカル『シカゴ』

ブロードウェイミュージカル『シカゴ』

公演に先駆け7月31日(水)、ミュージカルCD『シカゴ』の日本盤ボーナス・トラックとして収録した米倉涼子が歌う「ロキシー」が音楽配信サービスを通じ、世界120カ国以上で配信された。世界デビューについて問われた米倉涼子は、歴代のロキシー役を差し置いて「なぜ私がという感じで、今だに信じられません」と恐縮した。だがニューヨークで行われたレコーディングを振り返ると、スタッフたちと意見交換しながら和気あいあいと作業できたといい、「ブロードウェイのアンサンブルボーイズ2人にも歌を入れてもらい、とても楽しい時間を過ごすことができました」と高揚した笑顔で語った。

来日公演の初日、8月1日(木)は米倉涼子の誕生日とも重なった。共演者らの計らいでプチ誕生日会が行われた。「ハッピーバースデー!」とピーターからバラの花束を受け取った米倉は「誕生日なんて忘れてた」と驚いた。続いてハッピーバースデーソングと共に『シカゴ』の本拠地、ブロードウェイのアンバサダー劇場を模したケーキが運ばれると、「素敵ー!」と喜んだ。「誕生日楽しんで」とアムラから一気にろうそくを吹き消すよう言われた米倉だが、思うように吹き消すことができず、すかさず2人がヘルプに入り、3人揃って仲良くろうそくを吹き消すと、会場は笑顔と拍手に包まれた。

ブロードウェイミュージカル『シカゴ』

ブロードウェイミュージカル『シカゴ』

ブロードウェイミュージカル『シカゴ』

ブロードウェイミュージカル『シカゴ』

祝福ムードのなか、改めて米倉涼子は本日から始まる日本公演について「今回は半分以上が初めて共演させていただくメンバーです。最後のリハーサルでも、みんなで一丸となって前を向いて気持ちをひとつに整えたので、長丁場になりますが、日本公演も精一杯がんばります!」意気込みを語った。

ブロードウェイミュージカル『シカゴ』

ブロードウェイミュージカル『シカゴ』

9月3日から16日まで開催される、NYCブロードウェイ・ウィークの詳細発表~ショー2名分チケットが1名分料金で購入可

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2019年9月3日(火)から16日(月)まで、米ニューヨーク市で、NYCブロードウェイ・ウィークが開催される。この度、ニューヨーク市内、5つの行政区の観光マーケティングを担うニューヨーク市観光局が詳細を発表し、8月14日から、公式ウェブサイトを通じてチケットの販売を開始した。

NYCブロードウェイ・ウィークは毎年、夏季と冬季の半年ごとに開催しており、本年秋季のプログラムには、初参加となる12のショーを含む、合計24のブロードウェイショーが参加する。NYCブロードウェイ・ウィークは、プログラムに参加しているブロードウェイ・ショーの2名分の鑑賞チケットを期間中、1名分の料金で購入できるというお得なプログラムを実施している。2011年の1月から実施しているNYCブロードウェイウィークは今年で9年目を迎え、同プログラムを通じて、これまでに計146万4千枚、約1億米ドル(約1億円)の総価額のブロードウェイショーの鑑賞チケットを販売した。 

本年度からは、公式ウェブサイトのチケット購入ページを刷新し、「2019年トニー賞受賞作」、「子供向け」、「ミュージカル」、「演劇」などのカテゴリーごとにショーを検索したり、目当てのショーをサイト上でリストにして保存できるようにもなっている。さらに、お好みのショーを簡単に選べられるよう、ブロードウェイショーに関するオリジナルコンテンツも増強している。 

また、NYCブロードウェイ・ウィークは、ニューヨーク市観光局が、ザ・ブロードウェイ・リーグ、テレチャージ社、チケットマスター社とのパートナーシップのもと展開しているプログラムで、今回から初めて、ニューヨーク市観光局のグローバル決算パートナーであるマスターカード社もパートナーとして加わり、同社のデータベースを通じてのNYCブロードウェイウィークの告知も行われることになった。それ以外にも、ニューヨーク市観光局のウェブサイトやSNSアカウント(オリジナルのハッシュタグ、 #NYCBroadwayWeekも設定)、ニューヨーク市内の屋外広告スペース、オンライン広告、NYCタクシーの広告などを通じて、積極的にNYCブロードウェイウィークの告知をおこなっていく予定とのことだ。

2019年秋季のNYCブロードウェイウィークに参加する24のショーは以下のとおり

●エイント・トゥー・プライド - ライフ&タイムズ・オブ・ザ・テンプテーションズ (Ain't Too Proud – The Life & Times of the Temptations)**
●アラジン (Aladdin)
●ビューティフル:キャロル・キング・ミュージカル (Beautiful: The Carole King Musical)
●ビートル・ジュース (Beetlejuice)**
●ビトレイヤル (Betrayal)**
●ブック・オブ・モルモン (The Book of Mormon)
●シカゴ (Chicago The Musical)
●カム・フロム・アウェイ (Come From Away)
●ディアー・エヴァン・ハンセン (Dear Evan Hansen)
●デレン・ブラウン:シークレット (Derren Brown: Secret)**
●フローズン (Frozen)
●グレート・ソサイエティ (The Great Society)**
●ハリー・ポッターと呪いの子 (Harry Potter & the Cursed Child)**
●ハイト・オブ・ザ・ストーム (The Height of the Storm)**
●ライオン・キング (The Lion King)
●ミーン・ガールズ (Mean Girls)
●オクラホマ! (Oklahoma!)**
●オペラ座の怪人 (The Phantom of the Opera)
●シー・ウォール/ア・ライフ (Sea Wall / A Life)**
●スレーブ・プレイ (Slave Play)**
● サウンド・インサイド (The Sound Inside)**
●トゥッティー (Tootsie)**
●ウェイトレス (Waitress)
●ウィキッド (Wicked)

* チケット販売状況に伴い、 特別料金が適応できない日程もあります。 
** 今回初めて NYC ブロードウェイウィーク に参加するショー


■ニューヨーク市観光局の局長兼CEO、フレッド・ディクソン コメント
ニューヨークが世界最高峰の劇場芸術を提供する街であるということは既に周知の通りです。ザ・ブロードウェイ・リーグと弊局の決算パートナーであるマスターカードとのパートナーシップのもと展開するNYCブロードウェイウィーク は、ニューヨーク在住の方はもちろんのこと、観光客にも世界最高レベルの劇場芸術をより気軽に楽しんでいただける方策を提供するものです。

■ザ・ブロードウェイ・リーグの社長、 シャーロット・セントマーティン コメント
秋はブロードウェイ・ショーを楽しんでいただくのに最適のシーズンですが、私達の団体とニューヨーク市観光局が手を組んで展開するNYCブロードウェイウィーク の2週間は、1枚の料金で2名分のチケットを手に入れられるので、 より多くの方にショーに足を運んでいただきやすい時期となります。今回のプログラムに参加しているショーは、ロングランの定番からエネルギッシュな新作に至るまで揃っているので、ブロードウェイショーを長年愛するファンの方はもちろんのこと、初めて観劇される方も、必ずお目当てのショーを見つけていただけるはずです。ぜひこの期間限定のオファーを多くの方にご活用いただきたいと思います。

■マスターカードの北米マーケティング&コミュニケーション部門 エグゼクティブバイスプレジデント、 シェリル・ゲリン コメント
弊社は常にカードホルダーの方に“プライスレス”な経験を届ける努力をしております。1枚の価格で2枚の観劇チケットを手に入れられるという、素晴らしい特典をニューヨーカーおよび観光局に提供するNYCブロードウェイウィークを協賛できることは大変嬉しいことです。


アメリカの闇を鮮烈にあぶり出す、衝撃の『ウエスト・サイド・ストーリー』、IHI ステージアラウンド東京で上演中

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新演出の醍醐味

 IHIステージアラウンド東京で、8月22日に幕を開けた『ウエスト・サイド・ストーリー』(以下『WSS』)。「今まで誰も観たことのなかった『WSS』」のキャッチ・コピー通り、工夫を凝らした演出が堪能出来た。まず短いオーヴァチュアに乗せて、客席を360°取り囲む可動式大スクリーンに、移民の非行少年による暴力事件を報道する、1950年代の新聞の見出しが躍る。やがてスクリーンが開くと、そこはNYの貧民居住地区。ポーランド系ジェッツと、プエルトリコ系のシャークスの確執をダンスのみで描く、あの有名な〈プロローグ〉へと突入する。ダイナミックなダンスに加え、少年たちは客席前方を駆け回り、新バージョンはオープニングから快調だ。

マリアとトニーが初めて出会うシーン Photo by Jun Wajda

マリアとトニーが初めて出会うシーン Photo by Jun Wajda

 やがてダンス・パーティで出会い、人種の壁を乗り越えて、激しい恋に落ちるマリアとトニーが登場する。トニーが彼女への想いを高らかに歌い上げる〈マリア〉では、バックのスクリーンに満天の星が輝き、続くデュエットの〈トゥナイト〉は、バルコニーのセットがステージ前方に移動。再びスクリーン一杯にNYの夜景が煌めくという、観客を夢の異次元に誘う演出が心地良く、レナード・バーンスタイン(作曲)とスティーブン・ソンドハイム(作詞)による濃密な名曲を、さらに盛り上げる。

〈トゥナイト〉を歌う、マリア役のソニア・バルサラと、トニー役トレヴァー・ジェームス・バーガー Photo by Jun Wajda

〈トゥナイト〉を歌う、マリア役のソニア・バルサラと、トニー役トレヴァー・ジェームス・バーガー Photo by Jun Wajda

より暴力的に、より生々しく

 『WSS』を生み出したのは、天才ジェローム・ロビンス(原案・振付・演出)。今回の演出を担当するデイヴィッド・セイントは、脚本を手掛けたアーサー・ローレンツの愛弟子だ。彼は、ロビンスとローレンツの意図を再考しつつ作品を一から洗い直し、徹底的にリアルさを追求した。その結果が、作品の随所に表れている。代表的なのが、一幕終盤のジェッツとシャークスの決闘シーン〈ランブル〉。ここは、2組が派手に取っ組み合いを展開する場面なのだが、実は細かい動きに至るまで綿密に振り付けられたダンス・ナンバーなのだ。これまでは、ロビンス振付の様式美さえ感じさせる公演も多かったが、新バージョンでは少年たちの憎悪を剥き出しにした暴力性が舞台に炸裂し、一瞬たりとも目を離せない。

迫力ある〈ランブル〉の一場面 Photo by Jun Wajda

迫力ある〈ランブル〉の一場面 Photo by Jun Wajda

リアルさを追求したセット

 また、客席を囲む複数のセットも出色だ(場面転換に伴って、客席が回転する)。トニーが働き、ジェッツのたまり場となるドラッグストアは、棚に積まれたキャンディやジュースの瓶も、おそらく1950年代の商品を忠実に再現したのだろう。内装の細部まで凝りまくっているのだ。加えて、前述の〈ランブル〉の舞台となる高架下のセットは、廃車が無造作に置かれリアリティーを強調するなど、装置にもセイントのこだわりが感じられる(セット・デザインは、『スクール・オブ・ロック』などのアナ・ルイゾスが担当)

ドラッグストアで、〈クール〉を歌い踊るジェッツの面々 Photo by Jun Wajda

ドラッグストアで、〈クール〉を歌い踊るジェッツの面々 Photo by Jun Wajda

 楽曲も、装置をフルに生かした〈クインテット〉が圧巻だ。決闘前に意気が上がる、ジェッツとシャークスの重唱に、マリアとトニー、シャークスのリーダーの恋人アニータの想いが交錯するこのナンバーは、横に広がる巨大なパノラマ式セットが効果抜群。キャストのパワフルなボーカルも相まって、全編のハイライトとなっている。

壮大な〈クインテット〉。セットが素晴らしい。 Photo by Jun Wajda

壮大な〈クインテット〉。セットが素晴らしい。 Photo by Jun Wajda

アメリカの暗部を活写

 セイントは、2009年に脚本家ローレンツが演出した『WSS』ブロードウェイ再演に、アソシエイト・ディレクターとして参加(ツアー版が2012年に来日)。あれから10年を経た今、「移民問題は、より一層深刻化している」と声を落とす。事実、移民政策を強行するトランプ大統領の就任以降、アメリカでは銃乱射事件が加速度的に頻発。昨年だけでも、100件を超えたと言われる。つい最近では、今年8月3日にテキサス州エルパソで起きた、ヒスパニック系移民を標的にした銃乱射で22名が死亡と、痛ましい事件が続く。

 1957年にブロードウェイで初演された『WSS』が、いつの時代に上演されても観客の心を捉えるのは、現状を鑑みて「何も変わっていない」事に慄然とするためだろう。加えて、それを予見していた、ロビンスやローレンツらクリエイターの慧眼にも脱帽だ。この2019年バージョンでは、今なお繰り返される惨劇を目の前に突き付ける演出もあり、改めて人種差別の愚かさや、銃規制の必要性を強く訴えかける。

 一夜のエンタテインメントには終わらない、傑作『WSS』。劇場機構をフルに駆使したステージングと共に、作品のメッセージをしっかりと受け止めたい。

マリアとトニーが愛を誓い合う、〈ワン・ハンド・ワン・ハート〉 Photo by Jun Wajda

マリアとトニーが愛を誓い合う、〈ワン・ハンド・ワン・ハート〉 Photo by Jun Wajda

文=中島薫(音楽評論家)  写真=オフィシャル提供(Photo by Jun Wajda)

ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B’wayミュージカル非公式ガイド【2019年9月編】

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昨シーズンの作品が8月に続々とクローズを迎え、新シーズンの開幕ラッシュもまだ遠く、やや閑散としている感のある9月のブロードウェイ(特にミュージカル界)。だがそんななかでも、3日~16日は1枚分の値段でチケットが2枚買える「NYC BROADWAY WEEK」キャンペーン中だったり、22日には本稿最後に紹介するオタク垂涎のフリマが開催されたりもするので、訪れて損ということはないはずだ。家電が「買いたい時が買い替え時」なら、「行きたい時が行き時」なのがブロードウェイなのだ。

Q.観劇旅行のオススメ日程は?

行きたい時が行き時なブロードウェイだが、個人的なベストシーズンを挙げるなら6月中旬であることは、既に第4回で述べた通り。今回はシーズンではなく日程のお話で、こうなるともう、「火曜出発の1週間」のほぼ一択だ。日本とニューヨークは、日本を火曜に出れば火曜中に着き、ニューヨークを月曜に発てば翌火曜の帰国となる関係性。そしてオン・ブロードウェイの開演時間は、例外はあるものの、月曜:休演、火曜:夜のみ、水曜:昼&夜、木曜:夜のみ、金曜:夜のみ、土曜:昼&夜、日曜:昼のみ、というパターンがほとんど。よって観劇旅行をするなら、まずは月曜を避け、そしてマチソワできる水・土曜を万全の体調で迎えられるよう、火曜から翌火曜までの1週間をあてるのが一番というわけだ。

そうは言ってもベストシーズンの話と同様、必ずしも理想的な日程で休みが取れることばかりではないだろう。どうしても月曜が挟まる日程になってしまっても、大丈夫。月曜夜と、また辛うじて日曜夜に関しては、数が圧倒的に少ないというだけで、公演のあるオンの作品がないわけではないし、オフやメトロポリタン劇場まで視野に入れるという手もある。事前にネットで探しておくもよし、当日とりあえずtktsに足を運んでみるもよし。どんなに数が少なくても、公演がある限り(ほぼ)開いているtktsは本当にありがたい存在だ。

それよりも問題は、どんなに探しても目ぼしい作品がないことが意外と多い、木曜と金曜の昼である。かつて『オペラ座の怪人』『マンマ・ミーア!』『シンデレラ』が華々しく木曜マチネを始めた時は、大いに喜んで通ったものだが、それも今では『オペラ座の怪人』だけとなり、さすがに毎年観るのもどうかという気分にもなり…。この木曜マチネを――もちろん月・火・金曜マチネでも月・日曜ソワレでもいい――あらゆるロングラン作品がやってくれたなら、新作を優先するとどうしても叶わない、大好きな作品のリピート観劇が可能になるのに。どなたかブロードウェイ関係者の方、万が一これを読んでいたらぜひご検討ください。

いつもお世話になってます

いつもお世話になってます

【今シーズンの新作】

■9月に始まる作品

『Freestyle Love Supreme』9月13日プレビュー開始/10月2日開幕
『ハミルトン』のT・カイルとLM・ミランダがプロデュースする即興(!)ミュージカル。
https://freestylelovesupreme.com/

『The Lightning Thief』9月20日プレビュー開始/10月16日開幕
ファンタジー小説「パーシー・ジャクソン」シリーズが原作。ツアーを経てBW入り。
https://www.lightningthiefmusical.com/
 

■既に上演中の作品

『ムーラン・ルージュ!』
バズ・ラーマン監督映画をアレックス・ティンバースが演出する話題作。人気沸騰中!
https://moulinrougemusical.com/

【ロングラン作品】

■日本で既に上演された/されている作品

『アラジン』
ディズニーアニメが舞台ならではの手法で表現された秀作。魔法の絨毯もスゴイ。
https://www.aladdinthemusical.com/

『ビューティフル』
キャロル・キングの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。10月27日でのクローズが決定。
https://beautifulonbroadway.com/

『シカゴ』
オペラ座の怪人に次ぐロングラン記録を更新中の名物作。出来は割とキャスト次第。
https://chicagothemusical.com/

『ライオンキング』
開幕から20年以上経つというのに、未だ入場率がほぼ毎週100%を超える大ヒット作。
https://www.lionking.com/

『オクラホマ!』
1943年初演の名作を21世紀の解釈でリバイバル。2019年トニー賞。来年1月19日まで。
https://oklahomabroadway.com/

『オペラ座の怪人』
言わずと知れた世界的メガヒット作。圧倒的な知名度ゆえ、劇場では日本人に遭遇しがち。
http://www.thephantomoftheopera.com/

『ウィキッド』
開幕から15年が経ち、ようやくチケットに多少の余裕が。定期的に観たい傑作。
https://wickedthemusical.com/

■日本未上演の作品

『Ain’t Too Proud』
『ジャージー・ボーイズ』チームが描くテンプテーションズの軌跡。振付とキャストが最高。
https://www.ainttooproudmusical.com/

『ビートルジュース』
ティム・バートン監督映画の舞台化。原作を知らないとノリについていけない可能性高し。
https://beetlejuicebroadway.com/

『ムーラン・ルージュ!』と同じA・ティンバース演出作

『ムーラン・ルージュ!』と同じA・ティンバース演出作

『ブック・オブ・モルモン』
日本では永遠に上演されなさそうだが超絶面白い。モルモン教だけwikiで調べて観るべし。
https://bookofmormonbroadway.com/

『カム・フロム・アウェイ』
「911」の日、カナダの小さな町に起こった実話をシンプルだが力強い演出で描く感動作。
https://comefromaway.com/

『ディア・エヴァン・ハンセン』
深遠なテーマをスタイリッシュに描く、2017年のトニー賞受賞作。絶対日本でやると思う。
https://dearevanhansen.com/

『アナと雪の女王』
舞台ならではの表現が見当たらない残念作だが、満足感は保証する。生レリゴー最高。
https://frozenthemusical.com/

『Hadestown』
『グレコメ』の演出家が現代的に描くギリシャ神話。2019年のトニー賞で8冠を達成。
https://www.hadestown.com/

『ハミルトン』
開幕5年目にして未だ超入手困難なモンスター級ヒット作。文句なしに革新的。観るべし。
https://hamiltonmusical.com/

『ミーン・ガールズ』
同名映画の舞台化。なぜか人気。アメリカ的なノリについていける自信があればどうぞ。
https://meangirlsonbroadway.com/

『トッツィー』
主演俳優を筆頭に大変チャーミングな舞台。東宝出資中につき、日本版妄想も進む。
https://tootsiemusical.com/
 
『ウェイトレス』
同名映画の舞台化。完全に女子向け。来年1月5日でのクローズが決定。
https://waitressthemusical.com

【9月のミュージカルイベント】

このコーナーではもはやお馴染みとなりつつある、毎年恒例のチャリティイベントをいくつも開催している非営利団体「ブロードウェイ・ケアーズ」。秋の恒例と言えば、サイン入りプレイビルや小道具などが手に入る「フリーマーケット&グランドオークション」で、33回目となる今年は9月22日(日)に開催される。舞台となるのは、ブロードウェイを散策していれば誰でも一度は通る場所にあるちょっとした広場、シューバート・アレー(今回のトップ画像もその辺り)。サインテーブルとフォトブースには、今年も多数のスターが訪れる予定だそうで、気になる人は下記の公式サイトで発表予定の続報を要チェックだ。

https://broadwaycares.org/pre-event/broadway-flea-market-grand-auction-2019/

文=町田麻子

三浦春馬がシンシア・エリヴォと共演『シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート featuring マシュー・モリソン&三浦春馬』の上演決定

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2020年1月16日(木)~1月17日(金)に、東京国際フォーラムホールAにて、『シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート featuring マシュー・モリソン&三浦春馬』の上演が決定した。

ブロードウェイを席巻しハリウッド映画界でも存在感を表すシンシア・エリヴォの力強く、突風を浴びるような歌声がスペシャルコンサートで届けられる。ゲストには米人気ドラマ『glee』のメインキャストであり、世界的スター俳優のマシュー・モリソン、そして日本のエンターテイメント界を席巻する三浦春馬が決定しており、3人の豪華共演に期待したい。

キャストプロフィール

シンシア・エリヴォ(Cynthia Erivo)
力強い歌声が魅力のミュージカルスター。ブロードウェイにて高い評価を得た作品『カラー・パープル』にて主演であるセリー役を演じ、ブロードウェイ・デビューを飾った。2016年のトニー賞主演女優賞、グラミー賞、エミー賞など、数々の賞を受賞。その他の代表的な舞台作品は『天使にラブ・ソングを』、『ラスト5イヤーズ』など。舞台のみならず、映画でもその存在感を発揮しており、2018年、ドリュー・ゴダードが手がけるサスペンス 『ホテル・エルロワイヤル』(主演:ジェフ・ブリッジス)で映画デビュー。さらに、スティーヴ・マックイーンの『ロスト・マネー偽りの報酬』(主演:ヴィオラ・デイヴィス)に出演。2019年に米国で公開される奴隷解放家ハリエット・タブマンの伝記映画『Harriet』では主演を務める。2019年の英国アカデ ミー賞では、優れた才能を開花させた若い俳優を表彰する、ライジング・ スター賞にノミネート。今回が『4Stars 2017』以来、2度目の来日となる。

マシュー・モリソン(Matthew Morrison)
舞台、映像問わず活躍する多才な俳優。『フットルース』でブロードウェイ・デビュー後、『ヘアスプレー』のリンク・ラーキン役で一躍ブレイク。その後、『ライト・イン・ザ・ピアッツァ』でトニー賞にノミネート。さらにトニー賞を受賞したリバイバル版『南太平洋』(リンカーン・センター)に出演。最近では、2015年から2016年にかけて『ファインディング・ネバーランド』の主演を務め、ドラマ・デスク・アワードにノミネートされた。映像では、海外ドラマ『glee/グリー』(FOX)でグリークラブの顧問シュー先生役を演じ、世界的大ブレイクを果たす。本作は、2010年と2011年にゴールデングローブ賞のテレビドラマ部門作品賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞。ミュージシャンとしても活躍の場を広げており、2020年初旬にはディズニー・ ミュージック・グループとディズニークラシックのアルバムをリリース予定。

三浦春馬
人気・実力ともに兼ね備え、日本を代表する俳優の一人として、ドラマ・ 映画・舞台と幅広く活躍中。2008年、映画『恋空』で第31回日本アカデミー賞新人俳優賞、14年に『永遠の0』で第38回日本アカデミー賞助演男優賞を受賞。最近の出演作品に、ドラマ:NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』、『オトナ高校』(AX)、『ダイイング・アイ』(WOWOW)、『TWO WEEKS』(CX)、 映画:『進撃の巨人ATTACK ON TITAN』、『こんな夜更けにバナナかよ愛 しき実話』、『コンフィデンスマンJP』等。また、卓越した歌唱力とダンスを武器に、地球ゴージャスプロデュース作品、劇団☆新感線『ZIPANG PUNK 〜五右衛門ロックII』、『キンキーブーツ』等に出演、さらに『地獄のオルフェウス』、『罪と罰』等のストレートプレイでの演技力も好評を博した。 映画「アイネクライネナハトムジーク」(9月20日公開)の公開も控えている。

ブロードウェイミュージカル『レント』来日公演2020来日ツアー全キャスト発表 オリジナルピクチャーチケット第2弾の発売も開始

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2020年3月12日(木)〜29日(日) 東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)にて上演されるオリジナル演出版ブロードウェイミュージカル『レント』の来日ツアー全キャストが決定した。

プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』を下敷きに、AIDSや貧困、孤独に悩みながらも「未来も過去もない。大切なのは今、この瞬間なんだ」と躍動するイーストヴィレッジの若者たちの鮮烈な姿を描くミュージカル『レント』。96年にトニー賞4部門(最優秀ミュージカル賞、脚本賞、楽曲賞、他)で栄誉に輝き、ドラマ・デスク賞6部門(最優秀ミュージカル賞)、オビー賞3部門(最優秀脚本賞、作詞作曲賞、他)を受賞している。35歳の若さで急逝した、脚本・作詞・作曲の故ジョナサン・ラーソンの生誕60周年にあたる来年2020年の来日ツアーは、東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)のこけら落としシリーズとして行われる。

今回発表されたキャストは以下のとおり。

マーク役:コーディ・ジェンキンス/ CODY JENKINS

マーク役:コーディ・ジェンキンス/ CODY JENKINS

マーク役:コーディ・ジェンキンス/ CODY JENKINS

テキサス出身。テキサス州立大学にて演技を学ぶ。RENT20周年ツアーにてマークを演じて2年目となる。

ロジャー役:コールマン・カミングス/ COLEMAN CUMMINGS

ロジャー役:コールマン・カミングス/ COLEMAN CUMMINGS

ロジャー役:コールマン・カミングス/ COLEMAN CUMMINGS

これまでの主な出演作品は、地方公演:「ネクスト・トゥ・ノーマル」「ヘザース:ザ・ミュージカル」「マンマ・ミーア!」など。

ミミ役:アイヤナ・スマッシュ/ AIYANA SMASH

ミミ役:アイヤナ・スマッシュ/ AIYANA SMASH

ミミ役:アイヤナ・スマッシュ/ AIYANA SMASH

アメリカン・ミュージカル・シアター研究所(IAMT)卒業。ニューヨークを中心にシンガー・ソングライターとして活動。

エンジェル役:ジョシュア・タヴァレス/ JOSHUA TAVARES

エンジェル役:ジョシュア・タヴァレス/ JOSHUA TAVARES

エンジェル役:ジョシュア・タヴァレス/ JOSHUA TAVARES

ハワイ出身。ハワイ大学とアメリカン・ミュージカル&ドラマ・アカデミー(AMDA)で学ぶ。

コリンズ役:シャフィーク・ヒックス/ SHAFIQ HICKS

コリンズ役:シャフィーク・ヒックス/ SHAFIQ HICKS

コリンズ役:シャフィーク・ヒックス/ SHAFIQ HICKS

フィラデルフィア出身。テンプル大学にて声楽を学ぶ。これまでの主な出演作品は「ソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド」「ピピン」「ウィズ」「スペリング・ビー」など。

ジョアン役:サマンサ・ムボレクワ/ SAMANTHA MBOLEKWA

ジョアン役:サマンサ・ムボレクワ/ SAMANTHA MBOLEKWA

ジョアン役:サマンサ・ムボレクワ/ SAMANTHA MBOLEKWA

カナダ出身。カリフォルニアのヤング・アメリカンズ・カレッジ・オブ・パフォーミングアーツで学ぶ。

モーリーン役:ケルシー・スウェイガード/ KELSEE SWEIGARD

モーリーン役:ケルシー・スウェイガード/ KELSEE SWEIGARD

モーリーン役:ケルシー・スウェイガード/ KELSEE SWEIGARD

これまでの主な出演作品は、ナショナルツアー:「キンキーブーツ 」 地方公演:「ラ・マンチャの男」「シュレック」「ハウ・トゥ・サクシード」「ジプシー」など。

ベニー役:ホアン・ルイス・エスピナル/ JUAN LUIS ESPINAL

ベニー役:ホアン・ルイス・エスピナル/ JUAN LUIS ESPINAL

ベニー役:ホアン・ルイス・エスピナル/ JUAN LUIS ESPINAL

ドミニカ共和国出身。「イン・ザ・ハイツ」の主人公ウスナビ役でヘレン・ヘイズ賞にノミネート。

 

また、2019年10月1日(火) より、イープラスにてオリジナルピクチャーチケットの第2弾の販売が開始される。販売期間によりデザインが変わるピクチャーチケットで、4種類のチケットを集めると1枚の絵が完成する新デザイン。劇中代表曲「シーズンズ・オブ・ラブ」の歌詞がそれぞれの絵柄に綴られ、4つを合わせると1曲の歌詞が完成する仕様になっているという。その他プレイガイドでも通常チケットの先着先行販売も開始。詳しくは、公式HP にて。

オリジナルピクチャーチケット

オリジナルピクチャーチケット

ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B’wayミュージカル非公式ガイド【2019年10月編】

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『キャロライン、オア・チェンジ』と『カンパニー』のリバイバル、故ダイアナ妃の人生をミュージカル化する『ダイアナ』、ジェイムス・ラパイン(脚本・演出)とトム・キット(音楽)が組む『フライング・オーバー・サンセット』、ロンドンで大人気の『シックス・ザ・ミュージカル』など、来春オープンの気になる新作情報は続々と入ってくるものの、現状としては相変わらず閑散期な10月のブロードウェイ。それに足並みを揃えるかのように(?)、そろそろ観劇旅行未経験者からの質問も尽きてきたので、緩いネタで行かせていただく。

Q.プレイビルの楽しみ方は?

劇場に行くと観客一人ひとりに配られる無料のパンフレット、プレイビル。最近では電子版も出ていて、どちらがいいか案内係に聞かれたりもするが、筆者的には大切なコレクションなので必ず紙でもらうようにしている。早めに行ってじっくり眺め、キャストの顔と役名を一致させ、ナンバーに登場する地名を頭に入れておく、という“予習”としての使い方は連載第2回でお伝えした通り。今回は、終演後の“復習”としての楽しみ方を紹介してみたい。

プレイビルは、作品ごとに固有のページと、全作品共通のインタビュー記事などのページから成る月刊誌。よって、インタビューが観た作品に関するものだったらじっくり読むのももちろん面白いが、そうでない場合や英語がそんなに得意でない場合は、そこをすっ飛ばしても十分楽しめる。最も初歩的な楽しみ方はやはり、キャストやクリエイティブ陣のプロフィールをチェックすること。「この役者さん、あの役もやってた人なのか」とか、「この演出家、前に観たあの作品もやってるじゃん、ってことは私の好みかも」などと発見していくうちに、あなたもきっといつの間にかブロードウェイ沼にハマっていることだろう。

自慢のコレクションの一部

自慢のコレクションの一部

そしてもう一つオススメなのが、代役クレジット。ブロードウェイの公演は基本的にロングランなので、どの役にも必ず代役が存在する。その形はアルターネイト(週に何回か必ず登板するセカンドキャスト)、アンダースタディ(ほかの役で出演しながら、もっと大きな役をカバーする)、スタンバイ(主役に何かあった時のために待機する)、スウィング(アンダースタディの代役)など様々で、一人で何役もカバーできるよう準備しているキャストも数多い。そのクレジットを確認するだけで、ブロードウェイの層の厚さとともに、何があっても公演は行うのだ!という逞しさを感じて、筆者などは胸がアツくなるのだった。また普段からこれをしておくと、いざ自分が代役公演の回に当たってしまった時にもそうがっかりすることなく、それも含めてブロードウェイだと思えるので、その意味でもオススメだ。

【今シーズンの新作】

■10月に始まる作品

『David Byrne’s American Utopia』10月4日プレビュー開始/10月20日開幕
ミュージカルではなく「一生に一度の」「シアトリカルなコンサート」とのこと。果たして。
https://americanutopiabroadway.com/

 


『Tina:ザ・ティナ・ターナー・ミュージカル』10月12日プレビュー開始/11月7日開幕
ロンドンでの好評を受けてBW入り。オリヴィエ賞ノミネートの主演女優が続投!
https://tinaonbroadway.com/

 

■既に上演中の作品

『Freestyle Love Supreme』プレビュー中/10月2日開幕
『ハミルトン』のT・カイルとLM・ミランダがプロデュースする即興(!)ミュージカル。
https://freestylelovesupreme.com/

『The Lightning Thief』プレビュー中/10月16日開幕
ファンタジー小説「パーシー・ジャクソン」シリーズが原作。ツアーを経てBW入り。
https://www.lightningthiefmusical.com/

『ムーラン・ルージュ!』
バズ・ラーマン監督映画をアレックス・ティンバースが演出する話題作。人気沸騰中!
https://moulinrougemusical.com/

【ロングラン作品】

■日本で既に上演された/されている作品

『アラジン』
ディズニーアニメが舞台ならではの手法で表現された秀作。魔法の絨毯もスゴイ。
https://www.aladdinthemusical.com/

『ビューティフル』
キャロル・キングの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。10月27日でクローズ。ラストチャンス!
https://beautifulonbroadway.com/

『シカゴ』
オペラ座の怪人に次ぐロングラン記録を更新中の名物作。出来は割とキャスト次第。
https://chicagothemusical.com/

『ライオンキング』
開幕から20年以上経つというのに、未だ入場率がほぼ毎週100%を超える大ヒット作。
https://www.lionking.com/

『オクラホマ!』
1943年初演の名作を21世紀の解釈でリバイバル。2019年トニー賞。来年1月19日まで。
https://oklahomabroadway.com/

『オペラ座の怪人』
言わずと知れた世界的メガヒット作。圧倒的な知名度ゆえ、劇場では日本人に遭遇しがち。
http://www.thephantomoftheopera.com/

『ウィキッド』
開幕から15年が経ち、ようやくチケットに多少の余裕が。定期的に観たい傑作。
https://wickedthemusical.com/

■日本未上演の作品

『Ain’t Too Proud』
『ジャージー・ボーイズ』チームが描くテンプテーションズの軌跡。振付とキャストが最高。
https://www.ainttooproudmusical.com/

『ビートルジュース』
ティム・バートン監督映画の舞台化。原作を知らないとノリについていけない可能性高し。
https://beetlejuicebroadway.com/

『ブック・オブ・モルモン』
日本では永遠に上演されなさそうだが超絶面白い。モルモン教だけwikiで調べて観るべし。
https://bookofmormonbroadway.com/

『カム・フロム・アウェイ』
「911」の日、カナダの小さな町に起こった実話をシンプルだが力強い演出で描く感動作。
https://comefromaway.com/

『ディア・エヴァン・ハンセン』
深遠なテーマをスタイリッシュに描く、2017年のトニー賞受賞作。絶対日本でやると思う。
https://dearevanhansen.com/

『アナと雪の女王』
舞台ならではの表現が見当たらない残念作だが、満足感は保証する。生レリゴー最高。
https://frozenthemusical.com/

祝!日本での上演決定

祝!日本での上演決定

『Hadestown』
『グレコメ』の演出家が現代的に描くギリシャ神話。2019年のトニー賞で8冠を達成。
https://www.hadestown.com/

『ハミルトン』
開幕5年目にして未だ超入手困難なモンスター級ヒット作。文句なしに革新的。観るべし。
https://hamiltonmusical.com/

『ミーン・ガールズ』
同名映画の舞台化。なぜか人気。アメリカ的なノリについていける自信があればどうぞ。
https://meangirlsonbroadway.com/

『トッツィー』
主演俳優を筆頭に大変チャーミングな舞台。東宝出資中につき、日本版妄想も進む。
https://tootsiemusical.com/
 
『ウェイトレス』
同名映画の舞台化。完全に女子向け。来年1月5日でのクローズが決定。
https://waitressthemusical.com
 
 

【10月のミュージカルイベント】

11月2日なんてほぼ10月だろう(?)というのと、11月にはほかに紹介したいビッグイベントもあるということで、少々早いがこちらの「ブロードウェイ・ラン(RUN=走る)」を。ニューヨークシティマラソンの興奮を42.195キロ走ることなく味わおう、5キロだけ走って同じ場所にゴールしちゃおう!というよく分からないイベントに、「ブロードウェイ・ケアーズ」を通してチャリティとして参加するというもの。よく分からないが、歩いてもいいそうだし、土曜の朝なら観劇ができる時間帯でもないし、いつもゴミゴミしていてまっすぐ歩くことも難しい劇場街を駆け抜けられるのだとしたら、ちょっと楽しそうだ。

https://broadwaycares.org/pre-event/broadway-run-2019/

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